「捕まえたもん勝ち!」を読んで思ったこと | masashik0305のブログ

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ジャンルを問わず、思い付いた事、気になった事を書いていきたいと思います。

とは言え、自作PC関係の話やF1関係の話、ドラマの話なんかがメインになると思いますが。

「捕まえたもん勝ち!」は「Q.E.D. 証明終了」や「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」といった推理漫画を描いている加藤元浩が書き下ろした小説です。

 

Q.E.D.は数学用語で証明終了という意味ですが、漫画の中では、謎解きを開始する決め台詞(実際にはコマにQ.E.D.と書かれる)として、証明開始の意味で使われています。

正しくは謎解きが終わった時に使わないといけないですよね。

 

ご当地アイドルだった主人公が国家公務員総合職試験に合格し、所謂キャリア官僚として警察庁に入庁後、警視庁捜査一課で研修(OJT)を受けている最中に発生した事件を解決(1作目)し、それが認められて捜査一課からスカウトされ、正式配属後に発生した事件も解決(2作目)する、といったスートリーです。

 

警察庁の思惑としては、元アイドルのキャリアという事で、警察庁の広告塔にしようとしていたのですが、1作目の事件解決で能力を示してしまった事から、出て来るかも知れない杭を打とうとするキャリア組の動きが面白おかしく書かれています。

 

あそこまで極端では無いかも知れませんが、公務員の評価は基本的に加点方式では無いので、自分が成果を挙げるよりも、他人に成果を挙げさせない方向に動くのは正しいかも知れません。

 

「冷蔵庫を崖の上まで運ぶのと、崖の上から蹴り落とすのと、どっちが簡単か」と例も挙げられていましたが、難易度も雲泥の差ですし。

 

読んでいて、担当する組織の行動原理もお客様のそれに酷似してくる、という事に気付いてしまいました。

 

個人的な話ですが、10数年、大手の製造業様を担当する組織にいて、その後、官公庁を担当する組織に異動したのですが、官公庁担当の組織では、明らかに上に気に入られようとしている人間や上が気に掛けていそうな人間(実際にはそんな事実は無くても)の足を引っ張る人間の多い事、多い事。

 

更に、上への媚や足を引っ張る行為をどうやら反射神経で対応しているようなのです。

 

製造業担当組織ではそこまであからさまに人間は居なかったので、会社がそう変わったのかと思いましたが、どうも組織によって違うという事に気付きました。

 

会社員にとっては、自分の所属する組織とお客様が世界の大半を占めますから、お客様と同じ行動原理になっても不思議ではありません。

 

民間企業において、他人の足を引っ張る=会社の不利益、ですから、他人の手柄を自分の手柄のように喧伝する人間は居たとしても、会社の不利益になるような事をする人間は極めて少数だと思います。

 

特に製造業のお客様などは、物凄く小さな金額の積み重ねで利益を出していますので、足を引っ張っている余裕など有りません。

 

ですが、官公庁にとって、予算とは兎に角使わなくてはいけないものです。

仮に壮大な無駄遣いに終わっても、自分たちの給料には殆ど影響が無いのですから、自由に他人の足も引っ張れるというものです。

 

私の所属していた官公庁担当組織もまさにそんな感じの組織でした。

脱出するのに数年かかりましたが。。。

 

ps.

小説の中に警察庁の課長(恐らく警視長)が超高級ホテルへの宿泊経験などを自慢するシーンが有ります。

 

可処分所得は多くないが、所得外可処分金は多いというのが高級官僚だと思っていますので、恐らく経費を湯水のように使っているのだと思いますが、自費と勘違いして高級官僚は収入がとても多いと誤解されかねないので、どこかで経費と明記して欲しいものです。