タラの大惨事に色々考えました | 松村マサル子の日常に訊け!

松村マサル子の日常に訊け!

役者・松村マサル子の日常で起こったことや感じたことを綴ります


手術以来、毎日見舞いに来てる俺だよ。これも毎日年中無休で開院してくれてるこの動物病院のおかげだ。コレは昨日の画だけど、炎天下の曇り空の中、駐車場がいっぱい。つまり、そういうコトなンだろ。みンなありがたがって来ちゃうンだろうな。
今日は妹がまた横浜に戻ってるからソロ活動。まぁ、12時までの午前診療を知らずに13時に来ちゃったけどさ。なモンで、改めて17時の午後診の時間帯に。

「なンだよ、オマエかよ」みたいな目で見やがる。ンだよ、俺だって忙しい中を駆け付けたってぇのに。まぁね、気持ちは分からンでもない、厳しくしつけるのは俺だけだしな。だから家族の中で俺が一番ランクが低いンだよ、コイツにとっちゃ。
っていうかだよ、オマエをこンな目に合わせたのは、咄嗟のアドリブが効かなかった俺のせいだしな。だから胸が痛てぇンだよ。なンだけど妹に言われたよ、「でもマサルくんがいる時でまだよかったよ。私だったら何も出来なかったと思うし。怖くて反撃なンて出来なかったと思う」。
ウン、確かにソレもそうなンだけどさ。でも、なンだよ。だったらだよ、向こうにガウガウ言ってるキチガイ犬がいたらヤバいと思って逃げるじゃん?ソレが一番正解だったワケで。まぁさ、それでも追っかけてきたらってコトにもなンだけど。
考え出したらキリがねぇンだけど。

7~80mの距離、1歩目からトップスピードに乗る獣の足だったら時間にして4秒とか5秒とか?キチガイ犬のリードが離れたと分かったらすぐにタラを抱き抱えればよかったンだよ。カウンターの16文キックでフッ飛ばすとか。でもすぐに再度突撃したな。俺もバランス崩したろうから、やっぱやられてたな。
いや、何ンせあの勢いだ、抱えたタラに向かってジャンプしたンじゃねぇかな。だったら肩に乗せるか、いや後ろを向くか。でも振り上げた拳はカンタンにゃ下ろせねぇ、動物となりゃ余計だろ、そうなったら俺の太モモを食いちぎったンだろうな。オレ様の獲物をよこせ!くらいの勢いで。ソレは、役者としても完全に終わることになるワケで。
でもさ、ソコまではなくてもいい、最低限だけどタラが襲われたまではムカつくけどよしとしよう。問題はその後だったと思うンだ、なンで俺は殴るって方法に拘ったンだろう、って。無愛想でも狂暴でも、万国の犬が俺はかわいいンだ。どンなヤツだって時間をかけてじっくりいけばコミュニケーション取れるって思ってンだよ。だから何度も噛まれてきたンだけど、それでも今でもソレは変わンねぇンだ。
シャベルを持ってたンだからさ、金属の先が多少ながらも尖ってたンだからさ。相手は殺す気できてたンだからさ。どうして俺も殺す気でいかなかったンだろう、って。殺るか殺られるかだろ、ましてや"ペット"を襲って"野生"の自分に酔ってるシロート野生だ、横っ腹をブスッといきゃ怯ンだハズなンだよ。急にキャインキャインになったハズ、少なくとも噛みまくる勢いは弱まったハズ。世代的にケンカの仕方は分かってる、この程度って感触は咄嗟であっても分かる、その自信はある。
まぁ…、全~部仮定の話だよな。全部後の祭りな妄想に過ぎねぇよ。

病院の出すエサを食わないっつーンでさ、いつもやってるチューブのジェル状のエサを持ってきて。普段は1本だけなンだけど、持ってきた2本全部食ってやんの。いいぞ、その調子だ。ガンガン食ってドンドン元気になれ。
と、帰りしなに崩れながらもお座りしてくれた。いや、散歩前の礼儀と違って、ダレてる時はいつもこンななンだよね。でもさぁ、この数日で細くなったなぁ。でももう1時間になっちまった、エサやったり指を伝わせて水飲ませたり。スマンな、さすがにもう帰ンなきゃ。また明日来るからな、無条件にかわいがってくれる妹と一緒に。
「あの、松村さン。今付けてる点滴もそろそろ取ってもいい頃かと思います、そうなったらお家で休ませてやりませンか?家族と一緒の方が安心して、より快方に向かうでしょうし」。おっちゃんの院長先生の次かな、帰る時に若い女医さんからそう言われた。