突然、電話が鳴りました | 松村マサル子の日常に訊け!

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役者・松村マサル子の日常で起こったことや感じたことを綴ります


17日の緊急入院からお父っつぁんは群大病院の住人になったワケだ。肝臓ガンも厄介な状態になってるし、何しろ救急車で担ぎこられたワケだし、フツーに個室に入るしかないのさ。放射線治療のための治療ってこった。
だけどまぁ、とにかく無趣味なジジイだからね。携帯もスマホもイジれねぇし。ただ日がなボーッとテレビを見てるだけの生活、普段がそうだから入院ともなると気が詰まるンじゃねぇかなぁ。病気自体もそうなンだけど、精神的な部分も心配だよね。マジ、厄介だぜ。

ところで会社は17時定時、だけどソレは俺以外の人間の話で。俺についちゃ今日も残業さね、いつも通りに。ま、別段グチるコトでもねぇけどさ。でもさ、こンな時間にもなりゃ滅多に電話も鳴ンねぇし、意外に気楽なモンなのよ。むしろ自分の時間みたいな感覚だわね。
と、珍しく電話がきてさ。着信番号を見たら、え?公衆電話だって。…コレって、まさか。ハイ、もしもし?ん?返答がねぇ。
「もしもし、オレだけど」、反応の遅く&モゴモゴした声の主はお父っつぁんだった。

え!?いきなり!?ってか、なンで会社に!?慌てながらも、でもやたらと帰りたがってるコトを知ってたから、まだ帰れる段階にないってコトを手短に話して。
「あぁ、そうだな。まぁ、オマエの声を聞けただけでもよかったよ。じゃぁ」、コッチは話してる途中だってのに勝手にテメェペースで切りやがった。病気にあってもそういうトコは変わンねぇのな。

ってか、キモッ!どうしたどうした!
いきなりそういうコトを言ってきたのにビックリした。どう解釈していいのか困った。だって俺は父親の愛情を受けずに育った子供だったし。会社をやるようになっても俺のやり方をまるで理解出来ずにジャマばっかしてくれたし。そもそも、俺の芝居なんざまるで理解しなかったし今でもしてないだろうし。ヤツにしてみたら俺は永遠に不肖の次男坊なンだよ。のハズなンだよ。
ソコでまたもう1つの解釈も。長いコト、会社の電話番号と自宅のって一緒だったのね、昔の個人商店的なやり方で。何年か前に分けてさ、今までの番号は会社がもらって(取引先が混乱するから)自宅用にまた別の数字を作って。だけど何年も経つのに"新しい"番号ってまだ身についてねぇってコトだろうな。真っ先にアタマに浮かンだのがコレだったってこったろ。ヤベェ、コイツが出やがった、ってのが正直なトコなンじゃん?オメーじゃねぇよ、みたいな。気がついたのかどうなのか、だったらしゃーねー、体裁を整えとくか、そンな感じだろ。失礼な話だぜ。

とは思うけどさ、ソレで間違いはないと思うンだけどさ。ちょっぴりだけ嬉しかった。カン違いだったとしても。
2月の夜とは言え、今年は暖冬っぽいね。