2年振りの交渉に完全武装して臨みました | 松村マサル子の日常に訊け!

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役者・松村マサル子の日常で起こったことや感じたことを綴ります

「ウチのさ、常務が話を聞いてもいいっつってるぞ」。今月第1週末の産業祭の後だったからもう1月近くも経っちまったい、兄貴からそンなコトを言われたのって。兄貴はJAの職員やってンだよ、保険だか何ンだかの。詳しくはよく知らねぇけど。
で、そのJAでやってる産直の店があってさ、凄っげぇ客が入ってるトコが。俺が深谷に帰ってきて早々だからもう年やね、その頃そンな噂を聞いて視察にも何度か行ってる。コソコソと。いつかココと取引出来るようになりてぇなぁ、って。
で、満を持して交渉に臨ンだワケよ。市内の南端で遠いけどモロモロ装備も態勢も用意して、期は熟したってなモンで。そっか、前にココに来たのって2年も前になンのか。天井の低いボロい店構えからこンなメガストアに様変わりしたタイミングで。他の業者も入ってない、この業種はウチだけ、コレならイケるだろってなモンで。
だけどそン時はねぇ、店長に直談判したけどうまくいかなくってさ。前に別業者を入れてたンだけどヒドい目に合ったとかで、そのイメージが色濃く残ってたらしい。タイミング、だったのかねぇ。いや、あくまでペンディング、俺は諦めちゃいなかったけどね。
で、交渉不成立から2年も経って、いきなり"内部の人間"からそンなコト言われちゃったじゃん?なるほど、そろそろほとぼりも覚めた頃かも知ンねぇな。分かった、だったら再度アタックしてみるか。そういう流れ。っていうかさぁ、そういうコトは2年前に言ってくれっての。ちったぁアシストしろっての。
「あぁ、常務は忙しい人だからカンタンに捕まンないかもな」。実際、なっかなか電話は繋がンなくてさ。やっと昨日だよ、「分かりました、今日だったら何時かな。明日だったら…」、いやいや、当日ってのは急過ぎだから!明日でいいッス!10時?分かりましたッス!
電話口からかなりのバイタリティーを感じたね、(芸能方面の)所属事務所の女性社長と通じるような。なかなか電話を取り次げない忙しさってのはこういうコトなのか?
だけど一方で、アクの強さみたいな雰囲気も薄っすらあるようなないような。声から察するに…、そうだな、小林薫さん的なイメージ。懐の深さと即断即決のキレを持ち合わせるコワモテ、そンな感じ。
さぁて、ココは勝負ドコだ。しっかり理論武装してかなきゃいけねぇな。コワモテを丸くくるむような変化球で勝負する感じか、こうきたらこう返すみたいなシミュレーションも数パターン。よぉし、勝負したろうじゃねぇか!
…?え?アナタが常務さんッスか?小林薫ってよかスリーアミーゴスじゃないッスか?コワモテってよか和み系じゃん。いえ、何ンでもないッス。
この常務と、2年前の店長のおっちゃんと。さぁ来い、突っ掛かって来い。ちゃんと用意してるぜ、ちゃんと返し技があるぜ。店長としたら前回の因縁もあるし、すぐに納得出来ない立場だろうさ。いいよ、全部ひっくり返してやるぜ。よっしゃ、来いやぁっ!

…すんなり決まっちゃった、肩透かしの典型とも言えるくらいすんなりと。常務パワーなのか、でも店長もまた名刺くれたし。忘れてンのか?いや、決まったから全然いいンだけどね。でもソコは常務パワー、マジで即断即決、まさか今週末明後日からになるとは思わなかった。いや、早いからいいンスけどね。
不思議な気分。うまくいく時ってうまくいくンだねぇ。まぁ、あくまでスタート地点だけどね。今は扱ってもらうってだけ、売れるかどうかはまた別モノだし。でも今はね、長年の片思いに終止符ってコトで喜ぼうじゃねぇの。兄貴の助けがあった(かも)ってのが軽くムカつくけど。