濃厚濃密な文章を書き続けるには、
途方も無い精神力と体力がいることが判明した。
ほぼ一か月、精神的にダウン。
そんななか、「枯木灘」を読み返す。
被差別部落の実情は、なんとも濃密。
この本を、自然のなかでたくましく生きる人間の強さとか、
くだらない的外れな評を書くバカタレが多い。
一本、道を隔てた向こうが部落。
外に出られない濃厚な血縁集団が、内部で倦みつづける。
その「倦み」は、近親相姦であり、暴力であり、
結果として、夭折、奇形、堕胎などが生じる。
これを「人間の強さ」などと評するのは、ただのバカだ。
被差別部落は、倦まざるをえない集団。
近親相姦をするしかないのだ。暴力しかないのだ。
そこには、快楽や、解決といった生産的な目的は無い。
未来のない、社会的差別。未来のない社会的監禁。
妊娠と堕胎を繰り返し、自分の本当の親が、兄弟であり、
自分の子を弟や妹として、また、そのなかで近親相姦する。
とにかく暴力をふるうしかない。自己が何者なのかもわからず、
何のために暴力をふるっているのかもわからず、暴力をふるうしかない。
金も、知識も、その存在性すらも社会に奪われた部落民。
隠蔽された暗闇のなかで生きるしかない部落民。
それがなぜ、「人間の強さ」などという感想に結びつくのか。
まったく、バカバカしい。