こんにちは。

最近知ったんですけど、イタリアって院卒というものがないんですよ。
うまく説明ができるかしら。がんばってみます。

イタリアの大学は基本3年です。それを卒業すると2年間の専門コースに入ります。
そのあと博士課程に入ります。

通常に考えれば、最初の3年が学部卒、次の2年がマスター卒、つまり院卒
最後の博士課程卒業がドクター卒、になるわけなんですが。

イタリアがEUに加盟してから大学の形態も変わりまして、以前は5年間で学部卒業
だったのが、3年と2年にわかれたんですね。
一説には5年もの大学生活であまりにも長くイタリア人は卒業しないから短くなったんだ
なんて話もありますけど。
ま、とにかく最初は5年で学部卒扱いだったんだから、それが二つにわかれたところで
マスター卒になるわけではないんだそうな。

イタリア国内ではたしかに3年の学部卒とその後2年の専門課程卒では若干扱いが
違いますが(もちろん専門課程卒のが就職の際有利)、国際的にみると、学部卒扱い
にしかならないだそうな。

ということで、イタリアには学部卒かドクター卒しかいないわけですよ。
すごいですねー。

といってもマスター卒というのも実はいて、ほんとのところはどうなんじゃい!という
感じなんですけど。ま、あくまで国際的に見たらマスター卒の扱いにならない、という
ことなんでしょうね。

ということで先週の新聞にマスターを(イタリアにおいて)取った29歳の男の子が
インタビューされてました。

高いお金を払ってマスターに行ったにもかかわらず、就職難で自分の専門分野の仕事に
つけずに、結局ドカタ仕事をしている。高卒でもできる仕事だ。
収入はいいときは800ユーロくらいだけど、そうでないときは300ユーロだ。と。

これがほんとに今のイタリアの状況なんだと思います。
高卒だろうが大卒だろうがマスター卒だろうが、仕事はないんです。
自分の専門分野の仕事を、なんて探したらもう100%見つからないといってもいいくらい。
実際あたしの友人も今何人も仕事探してます。ちゃんと大学も卒業してるし、いわゆる
マスターもでているのに。逆に高卒とかの方が仕事はあるのかも。
大学卒だとプライドが邪魔して、仕事をすごく選んでしまうのかもしれません。

たいがい大学生は3年のコースを終えたあと就職を探すんですが、見つからないから
次の専門課程に行く、という感じなんですね。専門課程をでれば少しは仕事が見つかる
だろう、という淡い期待は、その後すぐに破られるんですけど。

あたしはイタリアの若者の動向にすごく興味を持っていて、こういった情報はできるだけ
手に入れようと思うんですけど、調べれば調べるほど悲しくなってくるんですよね。
ほんとにこの国には未来がないんじゃないか、て悲観主義。

ちなみにイタリアの大学卒業率は15%くらいだそうですよ。
親の世代は6%くらいだったので倍になった、とよろこんでるんだとか。
しかしながら大学中退率は60%に及ぶとか。
はぁ。。。

お先真っ暗??

では。