The Truth | 日々是一進一退

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20年以上接客業に携わってきました。
その前は公務員をちらりと。
接客メインで書こうとしておりましたが、すっかり四方山話になっております。

今話題の汗NHKで放送されている「フランケンシュタインの誘惑」。
科学の探求に取り憑かれた研究者達のダークサイドを取り上げていて、ちょくちょく再放送しています。

タイトルの“The Truth”。

番組で「金融工学」を取り上げた際のキーワード。

現代の金融取引は全て高度な数学が駆使されているのですが、金融業界に数学者や物理学者が参入していってから現在までの歴史がまとめられています。

「金融」に初めて「工学」を取り入れたとされる数学者、エドワード・ソープを中心に物語は進みます。
家庭が裕福ではなかった為、早くから数学の才能を生かして「お金を増やす」という事を実践していきます。
その才能が大きく開くのが、大学に進学したものの生活費を稼ぐ為にカジノに目をつけた事。

のちに世界的なベストセラーとなる、
“Beat the dealer”として出版される画期的な「必勝法」。

それ以前は300年近く前の数学・物理学者が開発したとされる「ダランベール法」くらいだったと思いますが、負けを抑えるくらいで「必勝法」とは言い難い。
「どうせ『ハウス』には勝てない」と思われていました。(いや、今でもやればやるほど負けると思いますが)

そんな時代に確率論を駆使して、ブラックジャックで100万円を200万円近くに増やします。
カードカウンティングという手法ですが、カジノにばれちゃってからは効果を出せない手法になっています。(でもカジノの売店で“Beat the dealer”は売られてますよー、すかっとしますもん)

ソープの科学者らしいところは、事前に大学のコンピュータを使って膨大なパターンのデータを計算させて、ディーラーと客が引いたカードの組み合わせによっての勝率も出していた事。
ただカード数えるだけでは詰めが甘いんですよね。
そして「実践」で実証する。

その後金融業界に進み、ワラント商品で利益を上げる方程式を編み出した事で有名になります。
が、まだまだ「信用」取り引きの時代に「数字」だけを見て取り引きをするという事が受け入れられない。
その後別の科学者が更に洗練された数字を開発する事で、金融業界が「数学」に注目します。

時代的にも、「宇宙開発」が下火になり仕事を失った数学者や物理学者が金融業界へ参入していきます。

そして彼等と金融業界が「ある」と信じて追い求めたもの。

それが必ず利益を上げる数式、

“The Truth”

それ以前はロケットの開発をしていたような科学者までもがありとあらゆるものを対象とした金融商品を開発していきます。


その後、ソープの数式を洗練させ、ノーベル賞も受賞する科学者を顧問に据えたLTCMが160%という驚異的な利益率で、一時は12兆円の取り引きを動かしていきます。

後のロシアの金融危機を読みきれず破綻することになりますが、科学者らしいのが「実践しなければ正しさが証明されない」と市場に参入したこと。
更に科学者らしいのが、まさか一国家が債務不履行を宣言するなんて思わなかった事。

さまざまな証券会社や保険会社、「金融取引」に関わるところには「クオンツ」と呼ばれる科学者が高給で雇われ、ありとあらゆる“The Truth”が開発されます。

金融商品が実際の流通からかけ離れた規模になり、
「聖杯」探しと「強欲」に取り憑かれた結果がリーマンショックです。

リーマンショックで使われた数式は公開されていませんが、「クオンツ」と言われる数学者ですら100人中5人しか理解できないだろうと言われています。

ソープのカードカウンティングも、昔ののんびりしたカジノでカードをワンデッキ(52枚のセットの事です)だけ使用していたから「カウンティング」が有効でしたが、現在は8デッキ使用、途中からゲームを始めてカードを使い切らずに終わるのでカウンティングはできなくなっています。

金融取引も、AIに学習させる事で、人が見落としがちな条件まで学習する事ができます。

と、結局未だに“The Truth”、「聖杯」探しは続いていますが、一個人での確実な勝利はまず難しくなっています。



川とか水辺が好きです。
やはり科学はこういうところに使ってほしいなとニコニコ