ここ1・2年、江戸時代に日本を訪れた外国人の本を読むという新しい遊びを見つけました。

 

最初の出会いは、自分で掲載したFacebookによると、2016年10月7日だったようだ。

 

(以下 抜粋)

面白そうな本を見つけた。

幕末期が好きな人には馴染み深い外国人 アーネスト・サトウの訳本

 

I found a book very interesting.  The author is Sir Ernest Mason Satow who are famous among people who like the ending era of Tokugawa Shogunate.

 

アーネスト・サトウは、イギリスの外交官。駐日公使。

司馬遼太郎著作始め幕末の歴史に興味のある方なら必ず見たことのある名前ですね。

幕府方、薩摩、長州方の歴史を動かした主要人物達だけでなく明治天皇とも面談し通訳した人です。

サトウの日本滞在は、途中帰国があるものの計25年(文久2年1863年~明治33年1900年)と、なんと明治維新を挟み40年にわたる期間。

日本の激動の変化を肌に感じた知識人です。

 

僕が読んだ「アーネスト・サトウの神道論」は彼の博覧強記を遺憾なく発揮している著作で、賀茂真淵や本居宣長の著作も読んで理解した上で、サトウだけではなく日本人神道学者の考え方について評論している。

 

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そんな僕が、今ちょうど読み終わった本がこちら。

 

『シュリーマン旅行記 清国・日本』

ハインリヒ・シュリーマン著

石井和子訳

(Photo from:

https://www.infowars.com/the-debt-crisis-is-a-trojan-horse-to-cause-the-fall-of-america/)

 

Heinrich Schleimennは、ギシリア神話(Greek Myth)で、ホメロス(Homer)のイーリアス(Iliad)に残された伝説のトロイの遺跡( Trojan Archaeological Site)を発見した人。

彼が、1873年に遺跡を発掘する8年前1865年(慶応元年)、清国(上海・北京・万里の長城など)と日本(横浜・江戸)を訪れている旅行記。

ちなみに、慶応は、明治になる前の最後の年号でたった4年しかない。

まさに、明治維新直前の江戸に約1ヶ月滞在したのだった。

 

原著は、1867年フランス語で書かれた La Chine et le Japon au temps présent

この本の面白いところは、アーネスト・サトウが日本で収集した本や日本に関する書物を4万冊所蔵した一級の日本学者でもあることとは違い、シュリーマンは11歳でラテン語でギリシア神話の冒険譚を作文し、言語の読む書く話す習得に6週間でできたというコミュニケーション能力の天才。

世界規模で物事を見つめることができる目だ。

日本に立ち寄る以前はゴールドラッシュで沸くアメリカに銀行を保有し世界中を旅していた実業家で、のちにその全財産を注いで子供の頃の夢であるトロイの発掘をする。

シュリーマンの旅行記の素晴らしいところは、多くの国を渡り歩いた経験から、客観的かつ写実的に現地の文化を文字に起こしているところ。

(僕は、多くの国に行ったが、写真すら撮影せず、残したものといえば、出張レポートだけだったような無駄な人生を過ごしたと思い知らされた)

同年の北京・上海と江戸の町や風俗、そして性質も、(結果的には極端な対比となって)表現している。

実は、この本には、前回の#7吉原に対する私の気分を変える文章があった

 

(長くなりすぎたので次回に続く)