Asian Sky ヴァイオリンとピアノのための小品 | 音楽 楽器 作曲の研究してます

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大学で先生しています。
作曲・編曲しています。
チェロを弾きます。

Asian Skyという曲を書きました。何年も前ですが。

アジアと言ってもタイとかマレーシアとか外国ではなく、沖縄の街と海の印象を音楽にした曲です。

 

きっかけは2014年くらいだったかな…友人からお店のBGMにするための音楽を書いてよと言われて、

何となくメロディ+伴奏で書いたものを、さらに別の友人がテクストを付けて、

そしてそれに合わせてよりヴァイオリン曲として・・・とまあ、詳しくは忘れてしまいましたが

いろいろと変遷があって出来上がった曲です。

 

その後、2016年フランスで開催された作曲コンクールにも出品しました。

モーリス・ラヴェル作曲コンクールというものですが、室内楽部門でファイナルに残った曲でもあります。

 

と、まあ書きあがったのはいいのですが、、、、

結局、お店で使われることもなく公に演奏されることもなく、何年もお蔵入りになってしまってました。

 

さらにその後、6年経って2022年に、友人との共同企画で「sense of Resonance 音楽祭

というクラシック音楽の「新作初演」のみを演奏するという企画が持ち上がり、

やっとこのAsian Skyも日の目をみることとなったのです。

めでたしめでたし・・・

 

ヴァイオリンとピアノのための2重奏曲。
アジアとあるが具体的には沖縄へ旅行へ行った時の、青い海と空に感銘を受けて民族調の調べで書いた曲。
初演は群馬県前橋市で行われた音楽祭で、群馬の演奏家の篠原郁哉氏とユリア・レヴ氏によるもの。
私が沖縄でとったスナップ写真をスクリーンに映し、その映像とともに演奏していただきました。

YouTubeにアップした演奏動画ご覧ください。

 

 

 

楽譜も簡単に説明しておきます。

#スコアとヴァイオリン譜はこちらからダウンロードできます

 

一言で言えば、日本的な民謡とドビュッシーやラヴェルのような印象派風の要素をあわせた雰囲気にしています。

月夜とさざ波の音、朝のきらきらした海、強い日差しと静かな街並み。そんな沖縄のイメージです。

この写真は私が実際に取ってきた写真で、初演の時のスライドショーで使ったものです。

 

曲の冒頭はピアノとヴァイオリンが幻想的に静かに交互に出てきます。

ヴァイオリンはG線をF#に調弦します。これで普通の五度調弦とはちょっと違う異国な雰囲気に。

またピアノのへんてこな連桁(れんこう)は徐々に速く/遅くという指示です。

通常でしたら、8分音符⇒3連符⇒16分音符⇒と西洋式には書くでしょうが、ここは

そういったデジタルは変化ではなく、アバウトになんとなくといったニュアンスで滑らかに加速してもらいたいので

こういった書き方をしています。(補足的にaccelとかritも書いています)

 

最初のテーマは、ペンタトニックのメロディと水や風のような流れる伴奏を組み合わせています。

和風な旋律とドビュッシーの室内楽にありそうな書法を使ってます。

 

曲の終わりは三線(さんしん)をイメージした落ち着いた雰囲気で余韻を残して消えていきます。

ここは、in tempoというよりは、なんか「ちょうどいい」タイミングでポロンポロンと弾いてほしいところ。

まだまだ説明したいところですが、、、長くなっても、くどそうですので、ここまでにしたいかと。

 

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