衿から左袖にかけて「露芝に桜道長」の金襴織物を使った着物風の衣装。
半衿は衣装と同じ「露芝に桜道長」の金襴生地。
帯締めのかわりに、衣装イメージの銀の紐を巻きました。
「露芝に桜道長」の生地を使ったかんざし。
だんさん @d1sk0804 の作品です
せっかくですので、大輔さんが日本男子初の金メダルに輝いた2010年の世界選手権の演技を見てみましょう。
動画お借りします。
前十字靭帯断裂という大怪我からの復帰後、初めて人前で演技されたのがフレンズオンアイスでのこのプログラム。
翌年に控えたバンク-バ-オリンピックを見据えて、ク-ルジャパンを意識した着物-KIMONO-風の衣装にされたのだと思います。
衿から袖にかけての金襴織物には満開の桜と舞い散る花びら。風に乗る花びらを表すようなピアノの旋律と合わせて、演じる大輔さんの周りには、はらはらと散る桜から次第に桜吹雪へと変わる景色が見えるようです。
袖口には紫色と橙色。
その配色の意味を考えてみました。
紫とオレンジといえば…ハロウィンの色です。ハロウィンの色の由来は、紫は月の光を、オレンジは太陽の恵みを表すそうです。つまり、陰と陽ですね。
陰陽五行説においても紫(=黒)は陰、朱(=赤)は陽。
桜の開花する時期にあたる春分は、昼と夜の長さがほぼ等しくなる、陰陽調和の日であり「陰」から「陽」へと転ずる日。
また、桜文様は春の訪れを告げる花であることから「物事のはじまり」を意味します。
怪我からの復帰、心機一転オリンピックを目指す幕開けのプログラムにこれ以上なくふさわしい衣装であったことでしょう。
ファンの方は既に良くご存じだと思いますが、衣装に使われた「露芝に桜道長」の金襴生地は『都香庵』さんで販売されています。
商品説明には「フィギュアースケートの高橋大輔選手のバンクーバーオリンピック エキシビション衣装でも使用された金襴です」と記載があります。
https://tokouan.co.jp/SHOP/kinran-shokubu080.html
『露芝に桜道長』
露芝というのは、生い茂った芝草に露が降りているところを写した文様。三日月型が芝草を、丸い玉が水滴を表しています。
芝草の新芽が水をうけて暖かい春に向けて息づき、桜が開花する、光溢れる情景を思い浮かべます。
道長とは「道長取り」という着物の図案のことで、現在の大河ドラマ「光る君へ」でおなじみの藤原道長が好んだことから名付けられました。平安時代貴族の間で流行した「継ぎ紙」が由来の、和紙をちぎって斜めに配したような変化に富んだ曲線で囲んだ図案です。
桜といえば義経さま、道長といえば源氏物語、まるで「氷艶2017破沙羅」と「氷艶2019月光かりの如く」を予見したかのような文様ではありませんか!?
ついでに言えば、紫は月、橙は太陽を表すとすれば、これまた、まさに月光かりの君と光の王子、こちらも「月光かりの如く」と「hyoen_LUXE」(2021)を暗示するようです!!!
(無理やり)
COLLECTION. 12 ラ・バヤデールver.1
Leon Minkus【La Bayadère】
2022-2023年フリープログラム
こちらの着物は衣装にイメージを寄せる、というより、かなだいの二人の衣装の「色」を着るのがテ-マです。
(スマホの限界で上手く色が出ませんが、ほんとはこの帯はこんな風に衣装に近い色なんです)
大輔さん色のモスグリーンの着物に哉中ちゃん色のワインレッドの帯
帯留は哉中ちゃんのティアラ。
この着物にも桜が舞っています。
人形作家の辻村寿三郎さんデザインの着物ですが、モスグリーンの地色に紫色の花弁という独特の色遣いです。
紫といえば
氷艶破沙羅の第一幕の義経登場の舞いの歌詞
「紫雲はるかに桜花」が思い浮かびますね🌸
せっかくですので、2023年世界選手権の演技を見てみましょう。
動画お借りします。
ラ・バヤデールはかなだいがデビューした2021-2022のフリープログラムですが、翌シーズンもフリープログラムとして継続されました。
今回は2季目となる2022-2023の衣装イメージですので、「ラ・バヤデールver.1」としました(じつは1季目の衣装テ-マの着物もありますので、また次の機会にお披露目します
)
バレエ「ラ・バヤデール」の中の「影の王国」の場面を中心としたプログラム。
「影の王国」は幻覚の中で、戦士が亡くなった恋人の舞姫と踊る、というストーリーです(ざっくり)
まるで破沙羅の中の義経と静御前の連れ舞いのようですね。失意の義経が異世界にいる静と幻想の中で舞う場面です。
動画お借りします。
破沙羅の公演当初は人と組んで滑る技術も台詞で演じるスキルも持たなかった大輔さん。
アイスダンスを経て、氷艶2019月光かりの如くでの舞台俳優なみの演技を経て、今の大輔さんが義経を演じたなら・・・
だけど、破沙羅はあの演出が良かったんです。
静との連れ舞いも、あの世界観にはリフトなんていっそ無粋。見交わす目と目、手を取り離れてはまた交差する、なんと美しい舞いであったことか。日本的、というならそもそも日本舞踊にリフトなんてありませんから(あるとしたら「操り三番叟」くらい?)
台詞も歌舞伎オンアイスである限り、歌舞伎役者の台詞に現代語で応答するのもヘンですし、スケーターに語らせることなく違和感のない物語が進行していった松本幸四郎さんの演出の手腕こそ見事でした。だからこそ、前代未聞なんです。
破沙羅は「異種格闘技」でなく「異種交流」であったからこそ歴史に残る素晴らしい作品となりました。
いよいよ来月、新しい氷艶が上演されます。
先日は突然の演出交代のニュースで驚きましたが、
第一作目の破沙羅からずっと主要スタッフに名を連ねておられる尾上菊之丞先生が急遽、演出総括としてチームを率いられることとなり、「氷艶2019 月光かりの如く」で頭の中将役をつとめられた福士誠治さんが演技指導として急遽、お力を貸して下さるようです。ファンの方々からの情報でお二方のスケジュールを知って、本当にものすごくお忙しい中を調整されたのだと震えております。
大輔さんはいつも人のご縁に恵まれておられますね。もちろん、ご本人のお人柄が周囲の人々を動かすのでしょう。
今回は「銀河鉄道の夜」をテーマに、宇宙へと旅立つということで、ワクワクが止まりません。
きっとまたあの初演での胸の高まり、驚きと感動を体験できるものと信じております。
がんばれ!!!
氷艶チーム!!!!!🚩📣!!
大輔さん&かなだいの衣装イメージの着物を集めています。
似て非なるもので単なる自己満足ですが。
少しずつブログに掲載していこうと思います。
『高橋大輔衣装展を着物で開催してミタ』シリーズはブログの「すべての記事」一覧から、テーマ別の「着物」に収納しています。
昨年の破沙羅記念日の義経さまイメージ衣装はこちら↓
『氷艶を着物で表現してミタ』シリーズもありますので、よければご覧になってください
「Luv Letter」の三味線の記事もありますのでよければ
*画像は下記サイトからお借りしました。
時事ドットコムニュース
https://www.jiji.com/sp/d2?p=fgm100-09035986&d=001winter
朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/olympics/photogallery/100123figure/figure030.html