2024.6.19一日一季語 桜桃忌(おうとうき《あうたうき》) 【夏―行事―仲夏】
ぐい呑みの志野に紅さす桜桃忌 神蔵器
志野焼は、室町時代の茶人・志野宗信が美濃の陶工に命じて作らせたのが始まりとか。釉のかかりの少ない釉際や口縁には、緋色の火色と呼ばれる赤みのある景色が出る。
加藤唐九郎 志野ぐい呑みのこと
「偶然性に魅力があるといえばある。中に隠れた色が、現れてきたんじゃなきゃ魅力がないね。女でも、化粧だけじゃ嫌なんじゃねえ。やっぱり心の中に持っとるものが、ほのぼのと出てくるところに魅力が感じられるわ。着飾った女なんてものは嫌なものなんじゃ。」
戦後の陶芸界に新風を吹かせ続け、昭和陶芸の名作を数多く残しただけでなく、後世にまで語り続けられるさまざまな伝説と逸話を残した陶芸家・加藤唐九郎の言葉。桜桃忌の季語と加藤唐九郎の言葉を思うと、深みを感じる一句。
*2022年 三鷹にて
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【傍題季語】
太宰忌(だざいき)
【季語の説明】
小説家太宰治の忌日。六月十三日。明治四十二年(一九〇九年)六月十九日、青森県金木村(現五所川原市)に生まれる。本名津島修治。一九三三年より小説の発表を始め、一九三五年に「逆行」が第一回芥川賞候補となる。代表作に「斜陽」「富嶽百景」「走れメロス」「津軽」「斜陽」「人間失格」など。昭和二十三年六月十三日、東京三鷹の玉川上水に入水自殺した。発見されたのが
誕生日と同じ六月十九日。この日を忌日とする歳時記もある。
【例句】
雲ばかり透明である桜桃忌 やのかよこ
老酒徒に場末の酒場桜桃忌 大塚裕司
太宰忌のいつしか窓に雨の粒 南うみを
みちのくの雲の低しや桜桃忌 清水志
桜桃忌飯の炊けしと電子音 中島瑞枝
【由来】
六月十三日。小説家太宰治(一九〇九~四八)の忌日。本名津島修治、青森県出身。無頼派・破滅型と称され、『斜陽』『人間失格』などは戦後文学の代表作とされる。昭和二十三年六月十三日、玉川上水で入水自殺、十九日に発見された。毎年六月十九日に東京三鷹市の菩提寺(ぼだいじ)禅林寺で桜桃忌が修される。
【今日は何の日】
桜桃忌,太宰治生誕祭
1948年のこの日、6月13日に自殺した作家・太宰治の遺体が発見された。
6月13日、太宰治が戦争未亡人の愛人・山崎富栄と東京の玉川上水に入水心中し、6日後の19日に遺体が発見された。また、19日が太宰の誕生日でもあることから、6月19日は「桜桃忌」と呼ばれ、三鷹市の禅林寺で供養が行われる。その名前は桜桃の時期であることと晩年の作品『桜桃』に因む。
太宰治の出身地・青森県金木町では、生誕90周年となる1999年から「生誕祭」に名称を改めた。
ベースボール記念日
元号の日
朗読の日
理化学研究所創設の日
京都府開庁の日
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)