2024.6.13一日一季語 夏木立(なつこだち) 【夏―植物―三夏】
夏木立宇治は名所の多かりき 井上井月
井上井月(1822?−1886) いのうえせいげつ
文政5年(1822年)に生まれたと言われる。越後長岡藩士井上某の子、勝造または勝之進と称し、井月と号した。如何なる契機で俳人となったか明らかでないが、嘉永5年善光寺に来り、伊那へ来たのは安政5年頃で、紋附黒羽二重の小袖、白小倉の袴、菅の深阿弥笠といったいでたちであったと言う。
生来酒を好み、行住坐臥悉く奇行逸話でないものはなく、酒を飲めば只、千両々々と唱え、甞て怒ったこともなく、また婦人に戯れたこともなく伊那谷にあること30余年、明治20年3月10日上伊那郡美篶村末広太田窪の塩原折治梅関方で眠るように漂泊詩人井月は往生を遂げた。(下島勲編、井月全集より)
*井上井月顕彰会ホームページ引用
この句も、宇治を漂泊していた時の句であろうか。
⇒画像をクリックするとブログ記事が読めます。
【傍題季語】
夏木(なつき)
【季語の説明】
夏になり、青々と葉が茂った木が並んでいる風景。一本の場合は夏木。
【例句】
門ありて唯夏木立ありにけり 高浜虚子
天辺は空の接点大夏木 稲畑汀子
夏木立絵巻物とは剥落す 岩田由美
一水の韻の貫く夏木立 つじ加代子
筆硯の一間ありけり夏木立 山本洋子
【井上井月】
井上井月は放浪・漂泊の俳人と言われる。幕末から明治にかけて信州の伊那谷にひょっこりやってきて、三〇年余を村の家々を訪ねて暮らし、六六歳で野垂れ死に同然に死んでいった。残された俳句(発句)は一八〇〇、一宿一飯のお礼の挨拶句のほか、伊那谷の生活風景や己の心の陰りを詠んだものも多い。子規に先駆ける近代俳句の先駆者との評価もある。
【今日は何の日】
はやぶさの日
宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所がある神奈川県相模原市が2012年に制定。
2010年のこの日、小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」までの7年間の旅を終えて地球に帰還した。
小さな親切運動スタートの日
1963年のこの日、「小さな親切」運動本部が発足した。
鉄人の日
1987年のこの日、プロ野球広島東洋カープの衣笠祥雄選手が、2131試合連続出場の世界記録を作った。それまでの記録は、アメリカ大リーグのルー・ゲーリック選手が持っていた。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)