2024.5.29一日一季語 泰山木の花(たいさんぼくのはな) 【夏―植物―初夏】
そこからは見えぬ泰山木の花 高橋将夫
庭木や公園の樹木として植えられるモクレン科の常緑樹。
初夏に香りのある白い花が咲き、かつては香料の原料としても利用されていとという。香水の原料や化粧品の香料として「マグノリア」で流通しているのはタイサンボクのこと。庭木などでも大木となっていることが多く、花は観察しにくい高所に咲くことが多い。この句は、そんな泰山木の花の見づらさを捉えた。
*2024.5.23 板橋区浮間舟渡の浄水場敷地内の木
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【傍題季語】
大山木の花(たいさんぼくのはな) 泰山木蓮(たいさんもくれん)
「泰山木」と書くが「大山木」の字をあてることも。また、大山盞の花。の表記も、歳時記によって掲載がある。盞=ぼく、盃の意味があるようだ。
花を大きな盞(さかずき)に見立てて「大盞木(たいさんぼく)」としたとする牧野富太郎博士の説が有力。
【季語の説明】
モクレン科モクレン属に分類される植物。原産国は北アメリカで、6月頃に花を咲かす。日本には明治時代に渡来し、公園・街路樹・庭木として植えられている。宝珠形の蕾(つぼみ)は茶花として用いられる。大輪のクリーム色の花で、ほどよい香りがある。 花径は50センチから60センチくらいあり、日本の樹木の花としては最大。
【例句】
水迄も匂ふ泰山木の花 星野椿
泰山木咲きしか夜明け前の音 千田百里
「悲槍」響く泰山木の咲ける門 片岡妙子
半僧坊の大屋根に咲く泰山木 望月喜好
泰山木花を仰ぎて旅立ちす 秋葉雅治
【由来】
名前の由来は、木の姿や花の大きく、堂々としていることから大山木:泰山木(大や泰の漢字は、大きい・広い等の意味)。山のように大きく立派に育つことに由来したもの。漢名は「荷花玉蘭」で、荷はハスの花を、玉蘭はハクモクレンを表し、いずれも花の様子が似ることによる。
【今日は何の日】
白櫻忌,晶子忌
歌人・詩人の與謝野晶子の1942年の忌日。
歿後に出された最後の歌集『白櫻集』に因み、「白櫻忌」とも呼ばれる。
多佳子忌
俳人・橋本多佳子の1963年の忌日。
エベレスト登頂記念日
1953年のこの日、ニュージーランドのエドモンド・ヒラリーとシェルパ族のテンジン・ノルゲイが、世界で初めて世界最高峰のエベレストの登頂に成功した。
呉服の日
全国呉服小売組合総連合会が制定。
五(ご)二(ふ)九(く)で「ごふく」の語呂合せ。
こんにゃくの日
全国こんにゃく協同組合連合会が1989年に制定。
種芋の植えつけが5月に行われることと、五(こ)二(に)九(く)で「こんにゃく」の語呂合せから。
幸福の日
グリーティングカードや慶弔ギフトなどを販売する株式会社ヒューモニーが制定。
五(こ)二(ふ)九(く)で「こうふく」の語呂合せ。
地下鉄の日 [京都市]
京都市交通局が制定。
1981年のこの日、京都市初の地下鉄(北大路~京都)が開業した。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)