2024.5.26一日一季語 沙羅の花(しゃらのはな《しやらのはな》) 【夏―植物―晩夏】

 

必衰の色を上枝に沙羅の花    舩越美喜

 

沙羅の花は,平家物語冒頭に

「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり

 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす」

として登場する花。ここに出てくる沙羅双樹の花は夏椿の花のこととされる。夏椿は朝に開花した花が夕方には落ちてしまう特徴があり、一日花とも呼ばれている。平家物語の一文は、夏椿が散っていく姿に、人生や命の儚さなどの意味を重ね合わせていたのではないかといわれている。

平家物語に登場する沙羅双樹と、お釈迦様にゆかりのある沙羅双樹は別物とされている。

*2024.5.25   自宅付近にて(羽村市)

 

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【傍題季語】

沙羅の花(さらのはな) 夏椿(なつつばき) 姫沙羅(ひめしゃら《ひめしやら》)

 

【季語の説明】

沙羅の花は、夏椿の別称があり、朝咲いて夕方には散るはかない花。沙羅の花を詠んだ俳句は、花の落花や色彩、周囲の風景や情景との対比などを通して、人の心情や生命の移ろいを表現している。古来から多くの俳人に愛されてきた

インドの沙羅樹とは別。

 

 

【例句】

落ちてなほ蕾のごとし夏椿   高木晴子

死衣は選びもならぬ沙羅の花  中原道夫

過ぎし日の師の熱弁や沙羅の花 堤陽子

沙羅咲くや朝倉五代系譜図に  密門令子

一花散り一花ほころぶ夏椿   加藤静江

 

 

【沙羅と沙羅双樹の違い】

通常は,沙羅双樹の花は夏椿の花のこととされる。

お釈迦様が滅入する際に沙羅(シャラ)の木が2本並んでいたことから、沙羅双樹と呼ばれるようになったといわれたり、四方に2本ずつ生えていたなどの説もある。どちらの説も沙羅(シャラ)の木が2本並んで生えていることから、沙羅双樹と名づけられている。沙羅双樹は無憂樹や菩提樹と並ぶ、三大聖木として崇められている。

仏教では「生命の木」と言われ、若返りや復活を意味する樹と伝えられている。

仏教が伝わった当時の日本には沙羅双樹は無かったので、葉の形が似ている夏椿を、沙羅(シャラ)の木と呼んでいたといわれている。

 

 

今日は何の日

梓薫忌

小説家・評論家・栗本薫の2009年の忌日。

小説家としては栗本薫、評論家としては中島梓の名義を使用したことから、両方の名前を取って「梓薫忌」と呼ばれる。

 

東名高速道路全通記念日

1969年のこの日、大井松田IC~御殿場ICが開通し、東京から愛知県小牧市まで346kmにおよぶ東名高速道路が全線開通した。

 

ラッキーゾーンの日

1947年のこの日、甲子園球場にラッキーゾーンが設置された。

広すぎてホームランが出にくいとの理由で設置されたが、1992年に撤去された。

 

ル・マンの日

1923年のこの日、自動車耐久レースの最高峰、ル・マン24時間耐久レースの第1回大会が、フランス北西部の町ル・マンで開催された。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)