2024.5.25一日一季語 編笠(あみがさ) 【夏―生活―三夏】
平安貴族は顔を見られるのを嗜みが無いとされましたので、市女笠でしっかりと顔を隠していたという。光る君での中で、石山詣の場面がある。この時の服装が、壺装束(つぼしょうぞく)。裾(すそ)をちょっと折りたたむようにして帯のところに挟んでいる着方、この着方を壺折(つぼおり)という。頭にかぶっていたのは市女笠(いちめがさ)で、枲垂衣(むしのたれぎぬ)が笠のふちに沿うように付けられている。夏の陽射しを除けるためではなかったのかもしれないです。
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【傍題季語】
台笠(だいがさ) 菅笠(すげがさ) 藺笠(ゐがさ) 檜笠(ひのきがさ) 籜笠(たけのこがさ) 熊谷笠(くまがいがさ) 網代笠(あじろがさ)
市女笠(いちめがさ) 饅頭笠(まんじゆうがさ) 女笠(おんながさ)
【季語の説明】
藁(わら)・菅(すげ)・藺草(いぐさ)などを編んで作った笠。
「笠」とは、雨や日光を除けるためにかぶる、薄いとんがり帽子のこと。
網代笠は、竹を網代に編んだ笠。僧侶などが日除けに用いた。
笠の材質は檜板・竹・藺草・菅製で、塗笠は、檜や杉の板材を薄く剥いだ「へぎ板」に和紙を貼って漆を塗って作成した物で、平安時代末期には主に老女が使用し、江戸時代初期には若い女性が使用した。
【例句】
菅笠に筑摩祭はなりにけり 許六
編笠や人に知られし面魂 石井露月
あみ笠や彦根の白は眉の上 島田五空
編笠で走る木曽路のざんざ降り 藤田直子
田仕事の夫婦絵となる檜笠 小出民子
【傘と笠】
「傘」とは、「雨や雪、日光などが体に当たらないよう、頭上にかざして用いる道具」
「笠」とは、「日光や雨、雪などが直接当たらないよう、頭にかぶるもの」
一般に低い円錐形をしており、イグサや藁などの材料から作られる。「編笠」「組笠」「縫笠」「塗笠」などの種類があり、このうち「組笠」には「網代笠」や「檜笠」が、「縫笠」には「菅笠」や「三度笠」などがある。
【日本での笠の歴史】
日本での歴史も古く、最古の歴史書である「日本書紀」に登場しており、埴輪(はにわ)にも「笠」をかぶったものが多くみられる。平安時代の女性貴族が「市女笠(いちめがさ)」を、鎌倉時代の武士が狩猟や流鏑馬(やぶさめ)の時に「綾蘭笠(あやいがさ)」を用いるなど、男女問わず生活に浸透していた。
【編笠】
藺笠(ゐがさ)
藺(い)の茎で編んだ被り笠。日除け用。
熊谷笠(くまがいがさ)
形状:円錐形/素材:藺草
編笠の一種。武蔵国熊谷から産出した円錐形の笠で、普通の編笠より深い。
天和(1681〜1684)頃から武士の間で用いられた。
網代笠(あじろがさ)
形状:円錐形/材料:竹
竹を網代で造った笠。傾斜のゆるい円錐形。僧侶用。巡礼用。
「網代」は竹・葦または檜(ひのき)などを薄く削ったものを斜めまたは縦横に
手織り風に編んだもの。
檜笠・檜木笠(ひのきがさ)
形状:円錐形/材料:檜
ヒノキを薄く削って網代(あじろ)に編んで作った笠。晴雨両用。
【今日は何の日】
主婦休みの日
生活情報紙『リビング新聞』が2009年に制定。
食堂車の日
1899年のこの日、山陽鉄道・京都~三田尻(現在の防府)で日本初の食堂車が走った。
一等・二等の乗客専用で、メニューは洋食のみだった。
有無の日
第62代天皇・村上天皇の967(康保4)年の忌日。
村上天皇は、急な事件のほかは政治を行わなかったことから。
広辞苑記念日
1955年のこの日、岩波書店の国語辞典『広辞苑』の初版が発行された。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)