2024.5.15一日一季語 葉柳(はやなぎ) 【夏―植物―三夏】

 

夏柳ベンチは池を囲みけり   廣畑育子

 

この句のような景は東京だと、不忍池を思います。

不忍池は昔、海。東京湾の入江だったものが次第に後退して陸地化し、池として残ったのだという。池が形成された時期は平安時代ごろとも室町時代とも言われている。不忍池は江戸名所として賑わいをみせるようになり、歌川広重をはじめとする江戸の画人たちによって多く描かれる

*2024.5.12  長野県八代にて

 

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【傍題季語】

夏柳(なつやなぎ)

 

 

【季語の説明】

日本で柳の樹木というと、シダレヤナギに代表される。日本へは奈良時代に中国から伝わってきた。最も美しいのは新芽のころとされるが、新緑の季節、夏の葉の茂った柳も趣がある。

「柳の下のどじょう」「柳に風」などのことわざや、「柳腰」など美女のたとえとして使われる

 

 

【例句】

夏柳風に吹き割れ古人見ゆ   宇佐美魚目

木場堀にあふるる光夏柳    鈴木良戈

夏柳みな髪束ね女学生     年森恭子

夏柳吉良邸後の赤提灯     佐藤喜孝

葉柳に触れて過ぎゆく人力車  坂本禧枝

 

 

【由来】

ヤナギの漢字表記には「柳」と「楊」があるが、枝が垂れ下がる種類(シダレヤナギやウンリュウヤナギなど)には「柳」、枝が立ち上がる種類(ネコヤナギやイヌコリヤナギなど)には「楊」の字を当てる。これらは万葉集でも区別されている。

 

 

【不忍池の伝説】

太田道灌が江戸城を築いて間もない頃のこと。道灌の2人の家臣が上野台の東と西にそれぞれ屋敷を構えていた。東の家には感応丸という15歳になる息子がおり、西の家には柳の前という美しい娘がいて、いつしか2人は恋に落ち、池のほとりで逢瀬を繰り返す仲となった。

これを面白くないと思ったのが、西の家の奥方。彼女は後妻で、日頃から継子の美貌を妬んで苛めていたので、さっそく意地の悪いことを思いついた。

池に、若い2人が毎晩往き来する粗末な木橋が架かっている。これを細工して、渡ればたちまち池に落ちるようにした。

凍てつく季節だったから、うまくいけば柳の前を殺せるだろうと思ったのだ。

が、予想に反して、池に落ちたのは東の家の感応丸だった。

水音を聞いて柳の前が駆けつけたとき、少年はすでに事切れていた。

柳の前も、すぐに後を追って池に身を投げ、自死を遂げた。

――恋人たちの、忍ぶ能わず。

成就しない恋の池。このときからここは「不忍池」と呼ばれるようになったのだという。(川奈まり子の奇譚蒐集・連載

 

 

今日は何の日

葵祭

京都の下鴨神社・上賀茂神社の例祭。元は旧暦4月の酉の日に行われていた。

 

商人の祝日

ローマ神話に登場する商業の神・メルクリウスの祝日。

 

沖縄復帰記念日

1972年(昭和47年)の今日、戦後27年間アメリカの統治下にあった沖縄が日本に返還され、沖縄県としてスタートしたのを記念した日。

 

青春七五三

幼い子どもの成長を祝う七五三から10年、13歳、15歳、17歳のまさに青春真っ盛りの少年少女に、これからの人生に対して励ましのエールを送ろうという日。11月15日の七五三から半年ずらした今日とした。大人へ成長する通過点として、社会性を身につけることも目的とする。

 

ストッキングの日

ヨーグルトの日

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)