2024.5.13一日一季語 麦の秋(むぎのあき) 【夏―植物―初夏】
「縄文のビーナス」に逢ふ麦の秋 浅田光代
初夏、眩い陽光に麦畑がきらめき、爽やかな風に金色の穂が揺らぎます。麦の収穫時期を迎え、米と麦の二毛作を行う農家では、刈入れにおわれ大わらわ
5月31日から6月4日頃の七十二候は、小満末候 麦秋至(むぎのときいたる)。
長野県での麦の栽培。かつては、水稲の裏作として麦が栽培されていましたが、現在は水田の転作作物としての生産が主体。小麦は「うどん」をはじめ、信州の郷土食である「おやき」の原料としても使われている。
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【傍題季語】
麦秋(むぎあき) 麦秋(ばくしゅう《ばくしう》)
【季語の説明】
麦の穂が実り、収穫期を迎えた初夏の頃の季節のこと。麦が熟し、麦にとっての収穫の「秋」であることから、名づけられた季節。雨が少なく、乾燥した季節ではあるが、すぐ梅雨が始まるので、二毛作の農家にとって麦秋は短い。
麦は大きく分類すると「六条大麦」と「二条大麦」に分かれます。
一般的に六条大麦は「麦ごはん」や「麦茶」に。二条大麦は別名ビール麦とも呼ばれ、ビールや焼酎といった酒造りの原料となっています。
関連季語
「麦刈(むぎかり)」ほか「麦打(むぎうち=麦の脱穀)」「麦埃(むぎぼこり=麦を脱穀するときに出る埃)」「麦藁(むぎわら)」
【例句】
教師みな声を嗄(から)して麦の秋 岩田由美
駅弁の短き箸や麦の秋 荻野美佐子
大利根のここまで匂ふ麦の秋 赤松弘光
二の腕の産毛のひかる麦の秋 今村恵子
胎動に夫の手の触れ麦の秋 毛利慶子
【由来】
日本で小麦の栽培が始まったのは弥生時代で、パンの原型と言われる、小麦を練って作られた蒸餅や焼餅と言う食べ方が中国から伝わりました。この頃は、まだまだ発酵したパンは食されていいなかったようです。日本で発酵したパンが登場するのは、1543年の鉄砲伝来からになります。
この頃、いち早く南蛮文化を取り入れていた織田信長が、固いパンの一種【ビスコート】を食べたと言う記録が残っています。しかし、パン食の普及の必要性は、日本人ではなく、来日してきた貿易商や宣教師たちにとってのものだったようです。
その後、キリシタン弾圧や鎖国により影を潜めたパンが、日本で再び姿を現すのは1840年代。中国でアヘン戦争が勃発し、日本への飛び火を怖れた幕府が、イギリス軍を迎え撃つために準備を始めた頃のことです。幕府は、とぎ汁や炊飯の煙が出る米ではなく、パンの方が携帯食に便利と考えて、製パン設備を作り、大量生産を始めました。日本人による日本人のためのパンの製造はこの時が初めてだと言われています。
【今日は何の日】
花袋忌
小説家・田山花袋の1930年の忌日。
竹酔日
竹を移植するのは旧暦5月13日に行うと良いと言われている。これは、この日は竹が酔っていて、移植されてもわからないからだということである。
メイストームデー(5月の嵐の日)
「バレンタインデー」から88日目、「八十八夜の別れ霜」ということで、別れ話を切り出すのに最適とされる日。
愛犬の日
由来不明。昭和30年代に雑誌『愛犬の友』を出版していた会社がこの日にイベントを開催していたが、これとの関連は不明。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)