2024.4.30一日一季語 行く春(ゆくはる) 【春―時候―晩春】
春行くや閉店セールなほつづき 森下康子
企業の会計期間は1年間で区切り、その期間の売上や利益または損失、キャッシュフローの状況を計算している。3月期は3月を決算としている会社の会計期間。公的な機関が3月を末としているので、税制改正などにも合わせやすいことから3月を決算月と定める企業が多い。そんな決算月に合わせての閉店セール。春の終わりとなる4月になっても、なお、続いている。そんな景であろう。
⇒画像をクリックするとブログ記事が読めます。
【傍題季語】
逝く春(ゆくはる) 春行く(はるゆく) 春尽く(はるつく) 徂春(そしゅん《そしゆん》) 春の名残(はるのなごり) 春のかたみ(はるのかたみ)
春の行方(はるのゆくえ) 春の別れ(はるのわかれ)
春の限り(はるのかぎり) 春の果(はるのはて)
春の湊(はるのみなと) 春の泊(はるのとまり)
【季語の説明】
過ぎ去っていこうとする春。暮れていく春。春の終わり。行く春には、去り行く春への感慨もある。
【例句】
行く春や鳥啼き魚の目は泪 松尾芭蕉
行く春の檻の中より人のこゑ 小澤克己
逝く春のまだ戒名の出來て來ぬ 中原道夫
くちびるは嫁入り道具春逝けり 櫂未知子
行く春の二の腕に顔埋めたる 津田このみ
【川合玉堂】
行く春 屏風6曲1双
重要文化財
晩春の桜花が散りゆく渓谷。川に繋留されている3隻の水車舟。玉堂は前年の秋と同年の早春にスケッチ旅行で秩父の長瀞(ながとろ)を訪れ、川下りを楽しんでいます。その時の風景を出発点として、小雪のように舞う桜をあしらったのがこの《行く春》です。
【今日は何の日】
図書館記念日
1971(昭和46)年の全国図書館大会で決定され、日本図書館協会が翌1972(昭和47)年から実施。
1950(昭和25)年のこの日、「図書館法」が公布された。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)