2024.4.17一日一季語 陽炎(かげろう《かげろふ》) 【春―天文―三春】

 

陽炎の中より現るる鼓笛隊    近藤きくえ

 

15日(月)の北陸地方は、本州の東の海上に中心を持つ高気圧に覆われ、魚津埋没林博物館の気象観測によると、9時40分には黒部市生地方面の護岸の伸びが観測され始めた。その後、蜃気楼は徐々に鮮明となり、14時10分には富山方面や射水方面にも明瞭な蜃気楼が出現し、Bランクの判定となった。逃げ水や蜃気楼は、景色が映り込んだように見えますが、陽炎はゆらゆらと揺れているだけで景色は映らないのだとか。

この句では、そんな陽炎の中から現れる鼓笛隊。この景は、この世の物なのか、異次元からきたようにも思える。

 

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【傍題季語】

糸遊(いとゆう《いという》) 遊糸(ゆうし《いうし》) 野馬(かげろう《かげろふ》) 野馬(やば) かぎろひ

 

 

【季語の説明】

春の天気のよい穏やかな日に、地面から炎のような揺らめきが立ちのぼる現象。

「陽炎」の意味は、“光が屈折し、地面から炎のような揺らめきが立ち上ること”。春や夏などの日差しが強い日に起こる自然現象で、地面が熱せられることで上昇気流が発生し、景色が歪んで見える。逃げ水や蜃気楼は、景色が映り込んだように見えますが、陽炎はゆらゆらと揺れているだけで景色は映らない

 

 

【例句】

石段の陽炎をふむ卵売り     川崎展宏

陽炎の上に拝せし磨崖仏     福井鳳水

糸遊のもつれかはたとつまづきて 北川英子

かげろふの遮断機の中通りけり  布施まさ子

山峡の空押し渡る遊糸かな    荒井和昭

 

 

【由来】

「陽炎」の由来は”かぎろひ”という言葉にあります。「陽炎」は本来「かぎろひ」として、『万葉集』や『古事記』などで使われていた。

「かぎろひ」は、春や夏の晴れた日に地面の熱で空気が屈折し揺れる現象。

 

 

今日は何の日

家康忌

徳川家康の元和元(1616)年の忌日。

 

職安記念日(ハローワークの日)

1947年のこの日、それまでの職業紹介所が「公共職業安定所」と名前を改めた。現在は「ハローワーク」という愛称で呼ばれている。

 

恐竜の日

1923年のこの日、アメリカの動物学者ローイ・チャップマン・アンドルーズがゴビ砂漠へ向けて北京を出発した。その後5年間に及ぶ旅行中に、恐竜の卵の化石を世界で初めて発見し、その後の本格的な恐竜研究の始りになった。

 

なすび記念日

冬春なす主産県協議会が制定。

四(よ)一(い)七(な)で「よいなす」の語呂合せと、ナスが好物であった徳川家康の命日であることから。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)