2024.4.13一日一季語 鱒(ます) 【春―動物―晩春】

 

潮鳴りの市場に迫り鱒高値    牧長幸子

 

旬の味覚サクラマスの水揚げ最盛期。ニュースで桜鱒の水揚げの様子をみた。

この句の潮鳴りの措辞が響く。

鱒寿司(ますずし)は、富山県の郷土料理。駅弁としても知られ、鱒(桜鱒)を用いて発酵させずに酢で味付けした押し寿司(早ずし)の一種。表記は必ずしも一定せず、ます寿し、ますの寿し、鱒の寿司などとされることも多いが、すべて同様のものを指している。

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【傍題季語】

本鱒(ほんます) 桜鱒(さくらます) 海鱒(うみます) 紅鱒(べにます) 虹鱒(にじます) 姫鱒(ひめます) 川鱒(かわます《かはます》)

 

【季語の説明】

マス(鱒、鮅[1])は、サケ目サケ科に属し日本語名に「マス」がつく魚、または日本で一般にサケ類(サケ(通称でシロザケ、いわゆる鮭)、ベニザケ、キングサーモンなど)と呼ばれる魚以外のサケ科の魚をまとめた総称。

一般的に「鱒」がよく使われるが、古い文献では、「鮅」も使われている。

三、四月が旬。多くは本鱒とも呼ばれる桜鱒をいう。降海型の海鱒には桜鱒・紅鱒・虹鱒があり五、六月ごろ川で産卵して、稚魚は海にくだり成長すると産卵のために川へ戻って一生を終える。

 

 

【例句】

虹鱒の紅を泳がせゐる水路     山田佳乃

霊仙の水引き鱒の池澄めり     谷泰子

海がさわぐよ鱒漁の男怒りっぽい  山田緑光

火の粉喰う鱒は影絵の山が呑む   依田昌也

鱒料理伊根の舟屋を下に見て    柴野静

 

 

【由来】

日本では、名前を付ける際に、淡水産はマス・海産はサケ、小さいのはマス・大きいのはサケなどのように単純に区分していた。ところが後に陸封型であるヤマメやイワナなども途中でダムなどのない場所ではサケと同様の生活史を送っていることが判明した。遺伝学の進歩により、アミノ酸解析やDNA解析によって進化系の研究が進められている。また、日本海の地殻移動による閉鎖性なども考慮する必要がある。近年では、岐阜県水産試験場・当時場長であった本荘鉄夫によって「サケに似た変な魚」としてサツキマスと名付けられた長良川の魚が、アマゴの降海型であると確認されたこともある。混乱は現在もなお継続している。

 

 

【桜鱒】

サクラマスは桜が咲くころに獲れることが多い鱒で海で獲れて川で産卵します。

が・・・海に降りないと・・・小型のヤマメとして育ちます。

同じ親から生まれても、育つ場所によって2倍の以上の大きさ(重さは10倍)になるのです。

海に降りる「降海型」はサクラマスと呼ばれ、70cm10Kgまで大きくなります。

海に降りずに川から動かない陸に封じ込められた「陸封型」のヤマメは、30cm700gぐらいにしかなりません。

それを知らずに獲っていたら、違う種類と勘違いしてしまいますが種は同じです。

同じように、ベニザケは海に降りると大きくなりますが、海に降りないとヒメマスと呼ばれ小さいまま。

 

 

今日は何の日

啄木忌

歌人・石川啄木の1912年の忌日。肺結核により27歳で亡くなった。

 

喫茶店の日

1888年のこの日、東京・上野に日本初の喫茶店「可否茶館」が開業した。

1階がビリヤード場、2階が喫茶室の2階建て洋館で、1杯2銭の牛乳よりも安い1銭5厘で提供していたが、5年で閉店した。

 

決闘の日

慶長17(1612)年旧暦4月13日、美作の浪人・宮本武蔵と細川家指南役・佐々木小次郎の決闘が、豊前小倉沖の無人島・巌流島(舟島)で行われた。

 

水産デー

大日本水産会(大水)が1933年5月に制定。

1901年のこの日、旧「漁業法」が制定された。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)