2024.4.9一日一季語 蒲公英(たんぽぽ) 【春―植物―三春】
風すこし選り蒲公英の絮とべり 辻美奈子
擬人法とは、植物や動物や自然などを人に見立てて表現すること。
擬人法の句が陳腐な句にならないためには、常識から外れた発想が必要。
この句の根底には、写生があり、そこから発想した擬人化なので、新たな世界へと飛び立つ若者の未来、勢いを感じる。
*2024.4.7 羽村市(近所の庭)
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【傍題季語】
鼓草(つづみぐさ) 蒲公英の絮(たんぽぽのわた)
西洋蒲公英(せいようたんぽぽ) 白花たんぽぽ(しろはなたんぽぽ)
【季語の説明】
タンポポ(蒲公英)は、キク科タンポポ属 (Taraxacum) の総称
日本でよく知られるタンポポには、古来から自生していた在来種(日本タンポポ)と、明治以降に外国から持ち込まれた外来種がある。都市部に多いのはセイヨウタンポポ。一年中花を咲かせることができるので、春以外の季節でも花を見ることができる。毎年花を咲かせる多年草で、生命力が強く、根が残っていれば茎を刈られてもまた伸びてくる。
【例句】
たんぽぽの咲きつづけつつ北の国 山口青邨
蒲公英や黄金時代解剖図 塩見恵介
湖風に庭の蒲公英絮飛ばす 鈴木美枝
蒲公英の百の灯せる司祭館 齊藤いさを
蒲公英や飾らぬ色は母の色 西村白杼
【蒲公英の語源など】
たんぽぽというかわいらしい名前の由来は、諸説あります。一つは、種の冠毛(かんもう)が丸く集まっている様子が、綿を丸めて布などで包んだ「たんぽ」に似ていることから、「たんぽ穂」と名づけられたという説です。
他にも、田んぼのあぜ道などによく生えていることから、昔は「田菜」と呼ばれていて、その「たな」が「たん」に変化し、綿毛がほほけるという特徴を表す「ほほ」と結びついてたんぽぽになったという説もあります。
また、たんぽぽの茎の両端を細かく裂くと、反り返って鼓のような形になることから、別名として「鼓草(つつみぐさ)」と呼ばれていたり、鼓をたたいたときの「タンタン、ポンポン」という音がたんぽぽの名前の由来になったという説も。いずれにしても、昔から日本人の暮らしに溶け込んでいた花であることは確かです
漢字で「蒲公英」と表記するのは、たんぽぽを開花前に採って乾燥させた漢方を「蒲公英(ほうこうえい)」と呼ぶことから。
英語名の「ダンデライオン」は「ライオンの歯」という意味で、のこぎりのような独特の葉のギザギザを、荒々しいライオンの歯並びに例えたとされています。
【今日は何の日】
大仏の日
752(天平勝宝4)年のこの日、奈良・東大寺の大仏開眼供養が行われた。
左官の日
日本左官業組合連合会が制定。
四(し)九(く)で「しっくい」の語呂合せ。
反核燃の日
青森県労働組合が制定。
1985年のこの日、北村青森県知事(当時)が県議会の全員協議会で核燃料サイクル施設の推進を表明した。これにより議会の承認を得たとして、それ以後核燃施設の建設が進められて行った。
美術展の日
1667年のこの日、パリで世界初の美術展が開催された。
食と野菜ソムリエの日
日本ベジタブル&フルーツマイスター協会が制定。
四(し)九(く)で「しょく」の語呂合せ。
子宮頸がんを予防する日
子宮頸がんを考える市民の会が制定。
四(し)九(きゅう)で「しきゅう」の語呂合せ。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)