2024.3.28一日一季語 白子干(しらすぼし) 【春―動物―三春】
白子干す混じる小海老の色淡く 阿部重夫
あまり食用に適さない混在物を除き、食用に適するものを塩茹でにして干したものがいわゆる白子干しとして販売されている。よく見ると明らかに形の違う生物が混じっていることもある。大抵の場合は食べても問題ない。毒魚であるフグの仔稚魚が漁獲時に混じることもあり、一匹程度なら致死量には遠く及ばないと考えられるが、混入させたままの販売は禁じられており、消費者が見つけて食べる場合もフグは取り除くことが望ましい
*2019年 江ノ島の江ノ島亭にて 「生しらす丼」
⇒画像をクリックするとブログ記事が読めます。
【傍題季語】
しらす ちりめんじやこ ちりめん 白子船(しらすぶね) 白子漁(しらすりよう)
【季語の説明】
白子干しなどの形で積極的に食用とされるのは、イワシ(主にカタクチイワシ)の仔稚魚。しらすは、塩水で煮たあとの乾燥度合いによって名称が変わる。
水揚げしたばかりのしらすは「生しらす」。「生しらす」を塩水で煮て、水気を切ると「釜揚げしらす」になる。「釜揚げしらす」を天日干しや機械で乾燥させたものが「しらす干し」。「しらす干し」の乾燥度合いを高めたものは「ちりめん」と呼ばれる。乾燥してくるとちりちりと縮れるので、「ちりめんじゃこ」ともいわれる。しらすには塩分が多く含まれているため、食べ過ぎには注意する必要がある。
【例句】
曙や現れて細身の白子船 鈴木鷹夫
うかうかと生きて悔ある白子干 岩田由美
太き指太く使へり白子干し 鳴海清美
白子干つかみ量りの行商女 大竹節二
雑炊に添へてちりめんじやこ少し 草間時彦
【しらすの語源】
「しらす」という言葉は、一説には時代劇でよく見かける白い砂利の敷かれた裁きの場所「お白州」からきていると言われています、しらすを干していて一面真っ白な状態が、お白州に似ていたことから名づけられたとか。いつしか、色の薄い稚魚を総称して、しらすと呼ぶようになりました。(身体が白い子、で「白子(しらす)」という説もあります)
【白魚・素魚・白子】
キュウリウオ目シラウオ科のシラウオ(白魚)、スズキ目ハゼ科のシロウオ(素魚)とよく混同され、シロウオのことをシラスと呼ぶ地方もある。
白子は、体に色素が乏しく白っぽい稚魚・仔魚の総称。含まれる魚類は多様で、イカナゴ、カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシ、アユ、ニシン、ウナギ(シラスウナギ)など。これらの一部は食用とされ、塩ゆでにして干した加工食品はちりめんじゃこ、白子干し(白子乾し)などと呼ばれる。
【白魚の幼魚】
幼魚はまだ骨格があまり発達しておらず、白子干しなどは様々な食品にまぶして丸のまま食べられる。ごはんの上にふり掛けたり(しらす丼)、大根おろしと和えて醤油で味付けしたりして食べられる。蛋白質やカルシウムが豊富な食品である。また一部地域ではシロウオのように、生きたままのシラスを酢醤油など調味料にくぐらせ、そのまま食べる「踊り食い」と呼ばれる食べ方も好まれる。
【今日は何の日】
京都裏千家利休忌
宗因忌
江戸前期の連歌師・俳人の西山宗因の1682(天和2)年の忌日。
井原西鶴の師としても知られ、俳壇の中心的存在として活躍した。
鑑三忌
明治、大正時代のキリスト教指導者で評論家の内村鑑三の1930(昭和5)年の忌日。
シルクロードの日
1900年のこの日、スウェーデンの探検家・地理学者のスウェン・ヘディンによって、廃虚になっていたシルクロードの古代都市・楼蘭が発見された。
スリーマイル島の日
1979年のこの日、アメリカ・ペンシルベニア州のスリーマイル島原発で炉心溶融事故が発生した。世界初の原発事故だった。
リメンバー・チェルノブイリ・デー 4月26日
三つ葉の日
「み(3)つ(2)ば(8)」の語呂合せ。
三ツ矢サイダーの日
アサヒ飲料が制定。
「み(3)つ(2)や(8)」の語呂合せ。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)