2024.3.27一日一季語 花冷(はなびえ) 【春―時候―晩春】
花冷えに高山からくり技競う 片渕清子
飛騨に春の訪れを告げる「春の高山祭」は例年4月に行われる。日本三大美祭のひとつで、日枝神社の例大祭。国の重要有形民俗文化財に指定されている「祭屋台」が12台曳き揃えられ、その豪華絢爛な姿は、動く陽明門とも。
からくりには「山車からくり」と「座敷からくり」があり、「山車」は神が出現する機微を示す象徴で、からくり人形は神の具現として「山車」に設置されているとか。この句には、糸で操られた人形が豪華絢爛な屋台の上で繊細な演技を披露する「からくり奉納」の様子が、この地方の桜の時期に重なる様子を綺麗に描写している。
*2024.3.26 国立駅前にて
⇒画像をクリックするとブログ記事が読めます。
【傍題季語】
花の冷え(はなのひえ)
【季語の説明】
桜の花が咲く頃の寒さのこと。花冷という言葉のもつ美しい響きが好まれる。
「花」は桜を意味し、桜も咲いて寒さの厳しい時期も過ぎたはずなのに寒いこと。「花冷え」を使える期間は、『桜が咲き始め、葉桜になり始める頃まで』
【例句】
一枚の舌のいはせる花の冷え 中原道夫
花冷えや悲しい色の夢をみる わたなべじゅんこ
花冷や寄木細工の鑿そろふ 石鍋みさ代
花冷やワインにほのとコルクの香 川井政子
花冷や駅員担ぐ車椅子 北畠明子
【今日は何の日】
さくらの日
日本さくらの会が1992(平成4)年に制定。
3×9(さくら)=27の語呂合せと、七十二候のひとつ「桜始開」が重なる時期であることから。
日本の歴史や文化、風土と深くかかわってきた桜を通して、日本の自然や文化について関心を深める日。
京都表千家利休忌
赤彦忌
歌人・島木赤彦の1926(大正15)年の忌日。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)