2024.2.26一日一季語 蝌蚪(かと《くわと》) 【春―動物―晩春】
蝌蚪生れて水柔らかくなりにけり 進峰月
おたまじゃくしは蛙の子供の姿。変態前の姿。前の由来は見た目が調理器具の「お玉杓子」に似ていることが語源になっている。私が子供の頃は、田んぼや沼、湖、河川など水があって流れが穏やかな場所であればどこにでもいた。幼生のおたまじゃくしの変態が始まると、最初に尾びれの付け根から後ろ足が生え、次に前足が生えてくると同時に、尾びれから栄養を吸収するため徐々に小さくなる。同時にエラ呼吸から肺呼吸へと変わり、尾びれがなくなり、蛙となり陸地に上がる。
この句の、水柔らかくの表現は、おたまじゃくしが生まれる季節にピッタリの表現に思う。
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【傍題季語】
蛙子(かえるご《かへるご》) 蛙の子(かえるのこ《かへるのこ》) お玉杓子(おたまじゃくし《おたまじやくし》) 蛙生まる(かえるうまる《かへるうまる》) 蝌蚪生まる(かとうまる《くわとうまる》) 蝌蚪の紐(かとのひも《くわとのひも》) 数珠子(じゅずこ《じゆずこ》)
【季語の説明】
蝌蚪(かと《くわと》)は、おたまじゃくしの別名。
《へらに漆をつけて竹簡に書いた文字の線が、初めが太く先細りとなり、おたまじゃくしの形に似るところから》中国古代の字体の一。古体篆字(てんじ)のこと。蝌蚪文字。*Weblio 辞書より
お玉杓子は、カエルの幼生の総称。胴体は球形に近く、四肢はなく、尾が発達し、鰓(えら)呼吸をする。
【例句】
漣をさざめきわたる蝌蚪の群 坊城俊樹
蝌蚪の国黄(くわう)厚き日をかゝげたり 小川軽舟
火の国の蝌蚪の大きさ水濁る 田中藤穂
藻隠れに蠢きゐたる蝌蚪の群 岡本明美
糸口は聖書にあまた蝌蚪生るる 峯尾文世
【今日は何の日】
周遊忌
鉄道紀行作家・宮脇俊三の2003(平成15)年の忌日。
周遊忌という名前は、生前に自らつけた戒名「鉄道院周遊俊妙居士」に因むものである。
良忍上人忌
平安時代後期の僧で融通念仏宗の祖・良忍の法要の日。
亡くなったのは1132(長承元)年2月1日であるが、法要はこの日に行われる。1773(安永2)年に聖応大師の諡号を贈られた。
2.26事件の日
1936(昭和11)年のこの日、2.26事件が発生した。
陸軍の皇道派の青年将校が、対立していた統制派の打倒と国家改造を目指し、約1500名の部隊を率いて首相官邸等を襲撃した。内大臣・大蔵大臣等が殺害され、永田町一帯が占拠された。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)