2024.1.11一日一季語 罠掛く(わなかく) 【冬―生活―三冬】

 

狐罠置かれし山の鳴りにけり    仲寒蟬

 

山鳴りとは、山の頂を越えた風がゴォ~と音を立てて大きく木々を揺らしながら吹き下ろしてくる風。冬の寒さが一段と増します。

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【傍題季語】

兎罠(うさぎわな) 兎網(うさぎあみ) 狸罠(たぬきわな) 狐罠(きつねわな) 鼬罠(いたちわな)

 

【季語の説明】

鼬・兎・狸・狐などを捕るための罠を掛けること。動物によって仕掛けは異なる。罠の歴史は古く、文明が発祥するより以前には既に落とし穴が狩猟に利用されていた。古代では食料にする狩のためであった。日本では、旧石器時代の落とし穴遺構が出土している。農作物を守るためのものも。

現代の日本における狩猟でも罠は使われている。猟銃による射殺より良質なジビエ肉が採取できるとして評価されている

 

 

【例句】

鼬罠仕掛ける無口通しけり  嶋田一歩

人間に見えてをりけり狸罠  茨木和生

風が抜ける狸かからぬ狸罠  成瀬櫻桃子

兎罠隣の国も山ばかり    大峰あきら

木に結ぶ赤き布切れ兎罠   大島雄作

 

 

【農林水産省】

野生鳥獣による農作物被害額は、約156億円(令和4年度)と依然として高い水準にあり、営農意欲の減退、耕作放棄・離農の増加等、数字に現れる以上に深刻な影響を及ぼしています。

 農林水産省では、「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」に基づき、現場に最も近い行政機関である市町村が中心となって実施する野生鳥獣に対する様々な被害防止のための総合的な取組を支援しています。令和6年1月 農林水産省ホームページ引用

 

 

今日は何の日

鏡開き

正月に年神様に供えた鏡餅を雑煮や汁粉にして食べ、一家の円満を願う行事。

武家社会の風習だったものが一般化した。刃物で切るのは切腹を連想させるため、手や木鎚で割ったり、砕いたりする。また、「切る」という言葉をさけて、「開く」という縁起の良い言葉を使っている。

地方によって日が違い、京都では4日に、ほかに20日に行う地方もある。

 

蔵開き

商売をする家で、新年初めて蔵を開き、商売繁盛を祈る。

 

樽酒の日

奈良県の長龍酒造が2009年に制定。

この日は鏡餅を開く「鏡開き」の日であるが、樽酒の蓋を割って開けることも「鏡開き」ということから。

 

塩の日

1569(永禄11)年、武田信玄と交戦中の上杉謙信が、武田方の領民が今川氏によって塩を絶たれていることを知り、この日、越後の塩を送ったとされている。この話が、「敵に塩を送る」という言葉のもととなった。

 

1.11忌

『路傍の石』等で知られる小説家・山本有三の1974(昭和49)年の忌日。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)