2024.1.7一日一季語 薺打つ(なずなうつ《なづなうつ》) 【新年―生活】

 

日本のあちこちに富士なづな打つ  奥坂まや

 

郷土富士(きょうどふじ、ふるさとふじ)は、日本を中心に世界各地にある「富士」と呼称される山。山容が富士山に似ていることに由来するものや、富士山信仰に由来するものなどがある。「ふるさと富士」とも呼ばれる。

この句の富士はこうした郷土富士のことであろう。

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【傍題季語】

薺はやす(なずなはやす《なづなはやす》) 七種打つ(なずなうつ《なづなうつ》) 七種はやす(なずなはやす《なづなはやす》)

 

【季語の説明】

陰暦正月七日の前夜から早朝にかけて、摘んできた春の七草を包丁の背やすりこ木で叩き大きな音を響かせ刻むこと。また、七種粥に入れるための若菜を刻むこと。六日夜または七日早朝に、右手に包丁、左手に杓子を持って、俎に載せた若菜を叩く。その際「七種なずな 唐土(とうど)の鳥が日本の土地に渡らぬ先に」などと、節をつけて唱え言をする。七種の代表として薺打つという。

 

【例句】

俎板の染むまで薺打ちはやす    長谷川かな女

机にもきこえてきたり薺打     森澄雄

世に古りし色の俎板薺打つ     南秋草子

薺打つ俎板を先づ濡らしけり    山田みづえ

薺打つ唄の終りは忘れしが     奥田とみ子

 

 

【由来】

 

 

今日は何の日

七種,七種粥

春の七種を刻んで入れた七種粥を作って、万病を除くおまじないとして食べる。

七種は、前日の夜、俎に乗せ、囃し歌を歌いながら包丁で叩き、当日の朝に粥に入れる。呪術的な意味ばかりでなく、おせち料理で疲れた胃を休め、野菜が乏しい冬場に不足しがちな栄養素を補うという効能がある。

「春の七種」とは以下の7種類である。

 

人日,七日正月

五節句のひとつ。

古来中国では、正月の1日を鶏の日、2日を狗の日、3日を猪の日、4日を羊の日、5日を牛の日、6日を馬の日とし、それぞれの日にはその動物を殺さないようにしていた。そして、7日目を人の日として、犯罪者に対する刑罰は行われないことにした。

また、7種類の野菜を入れた羹を食べる習慣があり、これが日本に伝わって七草粥となった。日本では平安時代から始められ、江戸時代より一般に定着した。

 

爪切りの日

新年になって初めて爪を切る日。

七種を浸した水に爪をつけ、柔かくして切ると、その年は風邪をひかないと言われている。

 

千円札の日

1950年のこの日、1946年の新円切替後初の千円紙幣が発行された。肖像画は聖徳太子であった。

初の千円札は1945年8月に流通開始した日本武尊の肖像のものであったが新円切替により1946年に失効していた。聖徳太子の千円札は、1965年に伊藤博文の千円札が発行されるまで15年に渡り使用された。

 

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)