2024.1.4一日一季語 御降(おさがり) 【新年―天文】

 

由良の門にゆたかに浪もお降りも 仙田洋子

 

「由良の門を渡る舟人かぢをたえゆくへも知らぬ恋の道かな 曽禰好忠」

「由良の門」は、名所歌枕一覧に「丹後京都府宮津市栗田湾に面する由良川の河口付近の海」と記載されている。作者が丹後掾であったことから、京都府の由良川と解釈できる。

この歌は、由良川の(流れが速い)河口の瀬戸を渡る船頭が、櫂(櫓)をなくして、行く先も決まらぬままに漂っているように、私達の恋の行方もどこへ漂っていくのか行く末に迷っていることよ。などということか。

お降りがあると富正月と言って豊穣の前兆とされたとか。豊穣を告げる雨に加えて、歌枕として名高い由良の門の波も豊か。三が日に雨など、天候が悪くなってしまっても、おめでたいことに言い換える古人のウイット、この句では、そんなおめでたさを詠っているようだ。

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【傍題季語】

お降り(おさがり)、富正月(とみしやうがつ)

 

【季語の説明】

元日に降る雨。または、元日から三日の間に降る雨、雪をいう場合もある。また、降れば富正月といって豊穣、豊年のしるしとされ、めでたいものとされた。

 

 

【例句】

御降りの消えてしまひし海の上    今井杏太郎

お降りに二度寝きめたる夫婦かな   藤田湘子

お降りや路面電車のチンと鳴り    山尾玉藻

映画館出て御降りの街をゆく     中里信司

御降りを吉としてゆく参詣道     米田正弘

 

 

【由来】

「御降り(おさがり)」は、元日に降る雪や雨のことをいい、元旦だけでなく三が日の間でもよい。降るという言葉が、古につながるため、お正月の忌み詞とされました。そのため「御降り」に言い換えた。

新年に天から降る、心の華やぎも含むのだとか。

 

 

今日は何の日

石の日,ストーンズデー

「い(1)し(4)」の語呂合せ。

この日に、地蔵・狛犬・墓石など願いがかけられた石に触れると、願いが叶うと言われている。

 

官公庁御用始め

官庁で年末年始の休みが明けて、その年の最初の事務を執ること。

1873(明治6)年から、官公庁は12月29日から1月3日までを休暇とすることが法律で定められており、4日が仕事始めとなる。

通常は1月4日であるが、土曜日・日曜日の場合は直後の月曜日となる。

 

取引所大発会

証券取引所での新年初めての立ち会い。かつてはこの日は午前中(前場)で取引を終了していたが、2010年以降は終日取引となった。

かつては1月6日だったが、証券業界の業績不振から少しでも営業日数を増やすために大納会が12月28日から30日へ、大発会が1月6日から4日へ変更された。

1月4日が土・日曜日の場合は、その直後の営業日となる。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)