2023.11.14一日一季語 外套(がいとう《ぐわいたう》) 【冬―生活―三冬】

 

オーバーを脱ぎて戻りし第九かな    笹村政子

 

日本で年末に『第九』が頻繁に演奏されるようになった背景には、第二次世界大戦後間もない1940年代後半、オーケストラ演奏の収入が少なく、楽団員が年末年始の生活に困る状況を改善するため、合唱団も含めて演奏に参加する楽団員が多く、しかも当時(クラシック音楽の演奏の中では)「必ず(客が)入る曲目」であった『第九』を日本交響楽団(現在のNHK交響楽団)が年末に演奏するようになり、それが定例となったことが発端とされる。

この句の作者は、コンサートの熱演を聴いて、身体も暑くなり、コートが不要になったようです。

*2023.11.  とある百貨店にて

 

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【傍題季語】

オーバー コート オーバーコート 被布(ひふ) 東コート(あずまこーと《あづまこーと》)

 

【季語の説明】

防寒防雨のため服上に着用する衣服。多くは衣嚢(ポケット)がついている。外衣。雨具としては蓑やポルトガル由来の合羽など。特に日本へ洋装(洋服)が入ってきたときに英語でいうovercoat(オーバーコート)に「外套」とした。「オーバーコート」、「オーバー」、「コート」などが現在は一般的。

 

 

【例句】

海鳴の近づくオーバーコートかな  山尾玉藻

外套のポケットの深きを愛す    片山由美子

諳んじゐる詩やオーバーの襟の中  木船史舟

オーバーを脱ぎし隣の男の香    園多佳女

羽振りよき昔や古き毛外套     懸林喜代次

 

 

【由来】

交響曲第9番を日本で初めて合唱付きで全曲演奏したのは、1918年(大正7年)6月1日、徳島県板東町(現・鳴門市)の板東俘虜収容所に収容されていたドイツ兵たち。「歓喜の歌」の部分だけの演奏は、板東における全曲の初演より早く、1916年(大正5年)8月20日、徳島俘虜収容所(徳島市)のドイツ兵により行われている。

 

今日は何の日

パチンコの日

全国遊技業協同組合連合会(現 全日本遊技事業協同組合連合会)が1979(昭和54)年に制定。

 

ウーマンリブの日

1970(昭和45)年のこの日、東京・渋谷で女性解放運動を高めるための日本初のウーマンリブの大会が開催された。

 

いい石の日

山梨県石材加工業協同組合が1999(平成11)年に制定。

 

いい樹脂の日

中部日本プラスチック製品工業会が制定。

 

盛人の日

日本ベテランズ倶楽部が2001(平成13)年に制定。

 

アンチエイジングの日

NPO法人アンチエイジングネットワークが制定。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)