2023.5.17一日一季語 山法師の花(やまぼうしのはな《やまぼふしのはな》)  【夏―植物―晩夏】

 

ゆきあひの谷をうづめて山法師       山口登

 

夏衣片 (かた) へ凉しくなりぬなり夜や更 (ふ) けぬらん―」〈新古今・夏〉

夏の入道雲から、少しもやもやした秋のうろこ雲やすじ雲へ。

両方が混在している様子が空にあらわれることを「行き合いの空(ゆきあいのそら)」という。山法師の咲く時期が晩夏なので、季節感が感じられる。しかし、今年は桜の咲くのも早かったけど、山法師も本来は晩夏の花だが、今が盛りのようです。

*2023.5.14  善福寺公園にて

 

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【傍題季語】

山法師(やまぼうし《やまぼふし》)、山桑の花(やまぐはのはな)

 

 

【季語の説明】

山法師は、日本から中国・朝鮮半島に分布する落葉高木。

白い花びらに見える総苞片(そうほうへん)を坊主頭と頭巾に見立てて「山法師」と名付けられました。総苞片の美しさや育てやすさから街路樹や庭園樹として人気が高く、江戸時代には海外で観賞用樹木として栽培されていた。

 

【例句】

今年また峠の花と山法師     嶋田一歩

その上の雲より白く山法師    林翔

山法師いよいよ白き疫病かな   岩岡中正

山よりの風荒あらし山法師    佐藤花木

落ちさうで落ちぬ夕日や山法師  前田達江

 

 

【由来】

ヤマボウシは日本が原産なのに対して、ハナミズキはアメリカからの外来種。見た目や性質も似ているようで細かなところが違い、ヤマボウシの総苞片は先端が尖っているのに対して、ハナミズキの総苞片は丸みがあり、先端が窪んでいる。

 

 

【季語の語源など】

ヤマボウシの由来は、中心に多数の花が集まる頭状の花序を法師(僧兵)の坊主頭に、花びらに見える白い総苞片を白い頭巾に見立てたもので、「山に咲く法師」(山法師)を意味する。

果実が食用になりクワの実に見立てたことから、別名でヤマグワとよぶ地域も多い。

赤い実からヤマボウ(山坊)やヤマモモ(山桃)、実の味からワランベナカセ(童泣かせの意)の地方名でよばれるところもある。実の形からついたと思われる別名に、ダンゴギ(団子木)、ヤマダンゴ(山団子)、ダンゴバラ(団子薔薇)、ダンゴボク(団子木)、シゾウアタマ(地蔵頭)というものもある。

 

 

今日は何の日

生命・きずなの日

臓器提供したドナーの家族で作る「日本ドナー家族クラブ」が2002(平成14)年に制定。

5月は新緑の候で生命の萌え立つ季節であることから、17日は十(とお)七(なな)で「ドナー」の語呂合せ。

 

お茶漬けの日

永谷園が2012年に制定。

煎茶の創始者であり、永谷園創業者の先祖である永谷宗七郎の命日。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)