2023.3.30一日一季語 海棠(かいどう《かいだう》) 【春―植物―晩春】
海棠の花より花へ雨の鵯 阿波野青畝
我が家の庭の海棠も咲き始めた。図鑑などによると、桜が終わると咲き始めるという。この記述の通りであるのだが、温暖化の影響か、例年より早いという言葉を耳にする。この句の景のように、ここ数日の雨の中、早朝から、我が家の海棠にも、鵯が花を啄んでいた。
*2023.3.29 羽村市(狭庭)にて
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【傍題季語】
花海棠(はなかいどう《はなかいだう》) 睡花(ねむりばな) ねむれる花(ねむれるはな)、海紅(かいこう)
【季語の説明】
中国を原産とするバラ科リンゴ属の落葉樹。春に咲く淡いピンクの花を観賞するため庭木として植栽され、単に海棠(カイドウ)とも呼ばれる。日本に渡来したのは室町時代以前のことで、先に食用として渡来していた実海棠(ミカイドウ)と区別するため、花海棠(ハナカイドウ)と呼ばれるようになった。
【例句】
海棠の露をふるふや物狂 夏目漱石
海棠も蘇枋も花の息づかひ 後藤夜半
この雨のやめば海棠散りそめん 星野立子
海棠をめぐる天平絵巻かな 平井照敏
海棠の明かりや寺の屋根までも 滝沢伊代次
【由来】
原産地の中国では昔から美人の形容に用いられるほどです。日本でも広く栽培されていて、花の美しさは庭木のなかでも群を抜いています。
「美人の眠り」「艶麗」「友情」「温和」の花言葉を持ちます。美人の眠りという花言葉は、玄宗皇帝の寵姫である楊貴妃の、眠りが足らずほろ酔いの美しい様子を「カイドウの眠り未だ足らず」とたとえたことに由来するといわれています。容姿があでやかで美しいという意味の艶麗は、カイドウと楊貴妃それぞれの美しさにふさわしい花言葉。
海棠の棠は「梨」のことで、海棠とは海から渡ってきた梨、という意味でつけられています。もともとは海棠と呼ばれていたものが、特に花の美しい海棠は花海棠、実が大きい種類は実海棠と呼ばれるようになりました。
【季語の語源など】
【今日は何の日】
国立競技場落成記念日
1958(昭和33)年のこの日、神宮外苑に国立霞ヶ丘陸上競技場が完成した。
敷地面積は22000坪で約58000人の収容能力を持ち、1964(昭和39)年には東京オリンピックの開閉会式の会場になった。
マフィアの日
1282年のこの日、マフィアの名前の由来となったとされる「シチリアの晩鐘事件」が起こった。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)