2023.3.29 一日一季語 花曇(はなぐもり) 【春―植物―晩春】
養花天咖哩にカツの衣散り 岩田奎
岩田奎「赤い岩」角川俳句賞受賞50句
第一句集『膚(はだえ)』299句収録にもある句。
薄い雲がかかる花曇りの天気は、桜の花を長持ちさせる。このため、花曇りの別称「養花天」がうまれたという。カツカレーのカツの衣とカレーとの取り合わせの妙。カレーもカツも熱々で養花天の少し肌寒さを感じる時にピッタリ。食べ物俳句は美味しく詠む。季語の美しさが美味しさを引き立てる。。
*2023.3.28 板橋区にて
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【傍題季語】
養花天(ようかてん《やうくわてん》)
【季語の説明】
桜の花が咲く時期の曇った天候。どちらかというと明るい曇り空をさすことが多い。満開の桜と、白い雲が広がる空。。
関連季語
→ 春陰
【例句】
み吉野の旅のはじまる花曇 稲畑汀子
絶筆のかすれ文字読む花ぐもり 横山淑子
ふつくらと長女十三花ぐもり 小島健
花曇どこにも合はぬ鍵ひとつ 杉浦典子
物干しの竿拭いてゐる養花天 宮森毅
【由来】
養花天は、花を養い育てる曇り空という表記そのままの意味があるといえます。
急な温度変化などの天候の変化は、花のつぼみを膨らませ花を育てる大きな要因となります。
だからこそ、花曇りのような天気のことを「養花天」とも表現するようになったのだとか。
【今日は何の日】
立原道造忌
詩人・立原道造の1939(昭和14)年の忌日。
マリモ記念日
1952(昭和27)年のこの日、北海道阿寒湖のマリモが国の特別天然記念物に指定された。
同時に、富山湾のホタルイカ群遊海面、鹿児島県出水市のナベヅル、高知のオナガドリ等も国の特別天然記念物に指定された。
八百屋お七の日
1683(天和3)年のこの日、18歳の八百屋の娘・お七が、3日間の市中引回しの上、火あぶりの極刑に処せられた。
お七が丙午[ひのえうま]の年の生まれであったことから、丙午生まれの女子が疎まれるようになった。
作業服の日
作業服などを販売する川口市の「まいど屋」が制定。
「さ(3)ぎょうふ(2)く(9)」の語呂合せ。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)