2023.3.26一日一季語 花冷(はなびえ) 【春―時候―晩春】
人影の絶えし庭園花の冷 樋口美津子
先日行った新宿御苑がこのような感じでした。園内は傘をさした人がまばらにいるだけ。この句の作者も、庭園を独り占めしたように感じたのでしょう。
東京は明日も花冷え。北海道より寒い10℃予想。体調を崩さないようにしましょう。
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【傍題季語】
花の冷(はなのひえ)
【季語の説明】
桜の花が咲くころになって一時的に冬が戻ったかのように寒くなることを“花冷え”と呼びます
【例句】
生誕も死も花冷えの寝間ひとつ 福田甲子雄
花冷や吾に象牙の聴診器 水原春郎
傘入れて鞄のゆがむ花の冷 前田陶代子
十一面観音を拝す花の冷え 平田紀美子
花冷えの遺品の時計止まりけり 徳永真弓
【由来】
ふつう、4月は暖かさが支配的になりますが、ときには高緯度地方から冷たい空気をもった高気圧が南下してきます。そのために低温になり、南関東でも雪が降ることもあるそうです。
要するに、桜の咲く時期になってきて暖かくなってきたのに、また寒さがぶり返して冷え込むようすをいう。
花冷えがぴったりな時期はソメイヨシノが満開から葉桜になりかけるころ。3月下旬~4月上旬の頃だといわれています。
桜の開花から満開になって葉桜になり始めるまでは、だいたい2週間あまり。その間に寒さが戻ってきたら花冷えという表現ができるわけです。
【花冷】
花冷えはどこの地方にも起こることであるが、特に京都の花冷えが有名。京都特有の地形による冷え込みと桜の華やぎが重なるからであろう。(西村和子)
『角川俳句大歳時記』>「花冷え」より
【今日は何の日】
楽聖忌
1827年のこの日、ドイツの作曲家ベートーベンがウィーンの自宅で亡くなった。多くの交響曲を作曲し、「楽聖」と呼ばれた。
犀星忌
小説家・詩人の室生犀星の1962(昭和37)年の忌日。
『愛の詩集』『幼年時代』『あにいもうと』『杏つ子』等の作品を残した。
鐵幹忌
歌人・詩人で與謝野晶子の夫の與謝野鐵幹の1935(昭和10)年の忌日。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)