2022.11.25一日一季語 鴨(かも) 【冬―動物―三冬】
小名木川波郷の鴨と思ひけり 広渡敬雄
小名木川に架かる新開橋のたもとには、波郷の句碑がある。
「砂町を愛した俳人 石田波郷生誕百年記念碑」
雪敷ける町より高し小名木川 石田波郷
砂町文化センターには、石田波郷記念館がある。
昭和21年から約12年間江東区に住み、波郷自身、第2の故郷と言っていた、江東区。「焦土諷詠」と多くの句を詠んだ。
広渡氏の句は、この波郷を思い、小名木川に浮かぶ鴨を見ての句であろうか。
東京都江東区、江東デルタ地帯を東西に横断し、隅田川と旧中川を結ぶ全長4640mの運河が小名木川。
小名木川の歴史
天正18年(1590年)、豊臣秀吉の命で、領地を取り上げられ、江戸に移封された徳川家康が、最初に行なったのが舟運の確保で、そのために開削された運河が小名木川。
*2022.11.23 目黒川にて
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【傍題季語】
真鴨(まがも) 鴨の声(かものこえ《かものこゑ》) 鴨の陣(かものじん《かものぢん》)
関連季語
→ 春の鴨(春)
→ 引鴨(春)
→ 初鴨(秋)
【季語の説明】
カモ目カモ科の鳥。一般的に「鴨」と呼ばれるのは、カモ科の中でも雁より小さい種類を指す俗称。冬羽(繁殖羽)では雄と雌で色彩が異なるが、カルガモのようにほとんど差がない種もある。真鴨・小鴨・葭鴨(よしがも)・尾長鴨・嘴広鴨(はしびろがも)などは河川や湖沼で、鈴鴨・黒鴨などは海上・江湾・荒磯などで見られる。
冬の季節に日本で越冬するため、飛来する。
【例句】
抜け目なささうな鴨の目目目目目目 川崎展宏
鴨が来る美しき孤独の弁天に 丸山佳子
鳩よりも胸張って鴨歩き出す 水谷芳子
一滴の夕日こぼるる鴨の嘴 鈴掛穂
番鴨水輪ひとつに納まりて 秋千晴
【鴨肉の由来】
鴨は日本では古代から好んで食べられており、各地の貝塚から発見される鳥の骨の中で最も多いのがマガモの骨である。奈良時代の『播磨国風土記』には「鴨の羹」が登場する。しかし時代が下るに連れ、貴族や支配階層の間では雉や鶴などが好まれるようになり、鴨は庶民が食べる下等なものとされていった。
今日、鴨肉の名称で流通しているものの多くはアヒル(家禽化したマガモ)の肉であるが、アイガモ(アヒルとマガモの交配種またはカルガモとアヒルの交配種)や野生のマガモなどもしばしば食用とされる。脂が載る冬が最も美味しく、旬の季節である
【鴨と家鴨】
「アヒル」は「マガモ」を食肉用に改良して家畜化した家禽(かきん)で、漢字で「家鴨」と書きます。つまり「アヒル」もカモの一種なのです。その歴史は3000年以上にも及び、中国やヨーロッパ各地に在来種があります。世界各国で、古くから「アヒルの肉」は食べられてきました。
参考:
「ジビエ・バイブル」(ナツメ社)
「aff(あふ)」2016年12月号(農林水産省)
【今日は何の日】
憂国忌
小説家・三島由紀夫の忌日。
1970(昭和45)年のこの日、三島由紀夫が、自ら主催する「楯の会」のメンバー4人と共に東京・市ヶ谷の陸上自衛隊東部方面総監部で総監を人質にとって本館前に自衛官1000人を集合させ、自衛隊の決起を訴える演説を10分間行った。その後総監室で楯の会会員の森田必勝とともに割腹自殺した。
監督・主演した映画『憂国』に因み、毎年「憂国忌」が営まれている。
ハイビジョンの日
郵政省(現在の総務省)とNHKが1987(昭和62)年に制定。
ハイビジョンの走査線の数が1125本であることから。
金型の日
OLの日
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
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(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)