2022.8.20一日一季語 玉蜀黍(とうもろこし《たうもろこし》) 【秋―植物―初秋】
にこやかに玉蜀黍の粒そろひ 斉藤小夜
玉蜀黍を選ぶ基準は、5項目。粒がよく揃っているものがよいようです。
1.褐色・黒褐色のひげがたくさんある
2.皮の緑色が濃い
3.ふっくらつやつやした実が、頭から先端まで
4.隙間なくびっしりついている
5.ずっしりと重みがある
とうもろこしは鮮度が落ちやすく、収穫後24時間たつと栄養が半減し、味が落ちてしまいます。スーパーに並んでいるとうもろこしを買った際は、収穫から時間がたっていると考えられるので、できるだけ早めに加熱調理して保存するのがよいそうです。
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【傍題季語】
もろこし 唐黍(とうきび《たうきび》)
【季語の説明】
イネ科の一年草。熱帯アメリカ原産。稲・小麦とともに世界の三大穀物のひとつ。食用・飼料とするため,世界各地で広く栽培される。茎は高さ2メートル 内外。15世紀末に新大陸を発見したコロンブスがヨーロッパに持ち帰って広まり、日本へは16世紀終わりごろに伝わって全国に広まった。それ以前に中国から渡来した「モロコシ」という植物によく似ていたことから、「唐のモロコシ(「唐」は舶来)」という意味で「トウモロコシ」となった。
【例句】
唐黍や強火にはぜし片一方 前田普羅
唐黍の葉風に眩む岩の上 飯田龍太
もろこしを焼くひたすらとなりてゐし 中村汀女
唐黍を折り取る音のよく響く 岩田由美
玉蜀黍食ふ一心になりてをり 野沢しの武
【唐黍の語源由来】
とうもろこしは、ポルトガル人によって16世紀に日本に伝えられた。
それ以前に中国から渡来した「モロコシ」という植物によく似ていたことから、「唐のモロコシ(「唐」は舶来)」という意味で「トウモロコシ」となった。
しかし、「モロコシ」の漢字は「蜀黍」か「唐黍」が用いられており、とうもろこしを漢字で書くと「唐蜀黍」や「唐唐黍」で意味が重複してしまうため、「唐」の代わりに「玉」を用いて「玉蜀黍」とした。
「玉」が用いられた由来は、とうもろこしの別名に「玉黍(たまきび)」があったためで、「玉黍」という名前は、とうもろこしの実が黄金色に美しく並んでいることに由来する。
その他、とうもろこしの別名には、「南蛮」や「唐」など「舶来」を意味する言葉が冠された「南蛮黍(なんばんきび)」や「唐黍(とうきび)」がある。
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【玉蜀黍の呼び方】
とうもろこしは地域によって様々な呼ばれ方があり、その数は200種類以上
主な呼び方と地域です
・きみ/北海道南部、青森県、秋田県、岩手県
・とうみぎ/宮城県、福島県、栃木県、茨城県
・せーたかきび/新潟県の一部、和歌山県日高郡
・こうらい/岐阜県の一部、福井県の一部、三重県の一部、滋賀県の一部
・はちぼく/三重県伊勢、岐阜県の一部、滋賀県の一部
・まんまん/広島県、島根県南部
・やまととーんちん/沖縄県首里
【今日は何の日】
定家忌
鎌倉時代の歌人・藤原定家の1241(仁治2)年の忌日。
「小倉百人一首」の撰者と言われている。
交通信号設置記念日
1931年のこの日、銀座の尾張町交叉点(現在の銀座4丁目交叉点)・京橋交叉点などに、日本初の3色灯の自動信号機が設置された。
NHK創立記念日
1926年のこの日、社団法人日本放送協会(NHK)が設立された。
蚊の日
1897年のこの日、イギリスの細菌学者ロナルド・ロスが、羽斑蚊類の蚊の胃の中からマラリアの原虫を発見した。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)