2022.5.11一日一季語 風薫る(かぜかおる《かぜかをる》)  【夏―天文―初夏】

 

新しき駅薫風の佐久平     小山徳夫

 

北陸新幹線の佐久平駅は、北陸新幹線の東京・長野間開業 に合わせて、東京から約170キロ離れた佐久市に、1997年に 開業しました。北陸新幹線と在来線の小海線が乗り入れ、両路線の接続駅となっている 。

佐久市と小諸市の間で、駅名についての論争が発生し、佐久市側が「佐久駅」を、小諸市側が「小諸佐久駅」または「佐久小諸駅」を、それぞれ主張し譲らなかった。

最終的に当時の長野県知事・吉村午良に調停を依頼し、「佐久平」という名称とすることで1996年(平成8年)11月26日に決着した。「佐久平」は、小諸市を含む佐久盆地一帯を指し、かつ県歌『信濃の国』に登場するなど親しまれている名称であったことから、両市ともに受諾した。

この句が詠まれたのは、この事を祝ってのことでしょう。

 

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*佐久平駅新幹線構内にて

 

【傍題季語】

薫風(くんぷう)

 

【季語の説明】

青葉の中を吹きわたって、緑のかおりを運ぶような風。薫風の候とは、「新緑の緑の間を吹いてくる風」のこと。読み下して「風薫る(かぜかおる)」とも。初夏の時候の言葉。薫風を使う時期は5月の初旬から終わり頃までといわ

れています。

もともとは和歌で草花の香りを運ぶ春の風として使われていたものが連歌で初夏の風とされるようになり、やがて俳句の季語として定着したとされています。

「初夏に若葉のかおりを漂わせて吹くさわやかな風。」

(新明解国語辞典より引用)

 

【例句】

風薫る葵の紋の黒書棚          小澤克己

三代の母校同じく風薫る           水原春郎

風薫る空の青さに深呼吸                尾上有紀子

薫風や赤城は雲をよせつけず       小川花久

薫風や塩盛る阿蘇の登山口         原茂美

 

 

【季語の語源など】

薫風の読み方は「くんぷう」です。

現在日本で普通に季語や時候の挨拶としても使われていますが、

その由来は中国にあります。

唐の時代には「薫風自南来(薫風南より来る)」と謳われています。

日本風に読み下して「風薫る(かぜかおる)」といわれることもありますが、

どちらも初夏の若葉の香りを運ぶ穏やかな風を意味しています。

漢詩に使われている薫風は南風で、すべてのものを養い育てる風だといわれています。

時候の挨拶としての薫風は、初夏に使われます。

初夏とはいつなのか、と疑問に思う人がいるかも知れません。

普通、初夏とは大まかに夏が近づいて来たと感じる頃に使う言葉ですが、

正式には、初夏は二十四節気の立夏から芒種までをいいます。

現在のカレンダーでは5月5日頃から6月上旬までが初夏にあたります。

だから時候の挨拶などで、薫風を使いたいときは、

ゴールデンウィークが終わる頃から使い出すとよいでしょう。

6月に入るとそろそろ梅雨が近づいて来るため、薫風は似合わなくなってしまうかも知れません。

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今日は何の日

朔太郎忌

大正・昭和期の詩人、萩原朔太郎の1942年の忌日。

 

たかし忌,牡丹忌

俳人・松本たかしの1956年の忌日。

 

梶葉忌

小説家・梶山季之の1975年の忌日。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)