2022.3.18一日一季語 蜂(はち)  【春―動物―三春】

 

蜜蜂や人吸ひ込まる丸の内       菊地光子

 

ハチやアリは、女王を中心に集団生活を営んでいる。繁殖を専門にする個体と労働を専門にこなす個体からなる、コロニーと呼ばれる集団をつくる真社会性生物です。特に蜜蜂の、件名に蜜を集めるその姿は、通勤電車にもまれ、ビルのオフィスに通う人間の姿にも通じる物があります。

近年、スズメバチなどに刺されるというニュースも多いようですが、蜂が危険視されるのは、かつて蜂は人から離れた生息地で生きていたのに、住宅地の開発などで、蜂の生息地に人が侵入したのが原因と言われています。

夏目漱石は「草枕」の冒頭で、「智に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈(きゅうくつ)だ。とかくに人の世は住みにくい」と言っています。これは、蜂も同様に思っている事かもしれません。

 

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【傍題季語】

蜜蜂(みつばち) 熊蜂(くまばち) 穴蜂(あなばち) 土蜂(つちばち) 足長蜂(あしながばち) 女王蜂(じょおうばち《ぢよわうばち》) 働蜂(はたらきばち) 蜂の巣(はちのす) 蜂の子(はちのこ)

 

 

【季語の説明】

ハチ(蜂)とは、昆虫綱ハチ目(膜翅目)に分類される昆虫のうち、アリ(実は、蟻もハチ類)と呼ばれる分類群以外の総称。ハバチ亜目の全てと、ハチ亜目のうちハナバチ、スズメバチ等がこれに含まれる。

蜂の社会はメスが中心で、働き蜂も全てメスである。オスは特定の時期に女王蜂と交尾する為にのみ生まれる。そのため、女王蜂は最初はメスを絶えず産み続け、一定数を過ぎるとオスを産み出す。

 

【例句】

蜜を吸ふ蜂の翅音激戦地      辻恵美子

蜜蜂は天の遊軍紀伊の旅      塩見恵介

戸隠の祭の中を熊ん蜂    市川 葉

武装して足長蜂の巣を落とす  史あかり

蜂生れて湿れる土を離れざり  小林愛子

 

 

【蜂のイメージ】

ハチといえばスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチなどが有名で、「大きな巣を作って家族でくらす」「花にやってくる」「毒針で刺されるから危ない」などのイメージが定着している。しかしこれはハチ全体で見ると一部の種類に過ぎず、その生態や体つきは多様性に富んでいる。

 

    ハチといえば毒針で刺すものと思われがちであるが、実際に刺すハチはほんの一握りに過ぎない。

    本来、ハチの毒針は、産卵管であった。キバチ類においてはこれを材の中に差し込んで産卵し、寄生バチの場合、宿主の体内に産卵するのに用いられる。このあたりから産卵管に針としての性能が与えられるようになる。狩りバチは、毒を注射することで、獲物を麻痺させ、それを巣に蓄えて幼虫に与える。しかし、これらのハチは単独生活であり、自分の身を守るために毒針を使うことはあまりない。

 

 

【主な蜂の種類】

スズメバチ

攻撃性、威嚇性が強い。巣に近づくだけで危険。

 

アシナガバチ

スズメバチほど攻撃性は強くないが、急に近付いたり刺激を与えると刺される。

 

ミツバチ

刺激を与えなければ攻撃されない。

 

 

【ハチの被害に合わないために】

    ハチは黒いものを攻撃する傾向があるので、白い服装や帽子を身に付けることを心がけてください。

    ハチの巣を見つけたら近付かないでください。

    もしハチに刺されたら、毒を絞り出しながら流水で洗い、患部を冷やしてください。スズメバチの場合は、速やかに病院で治療を受け、ミツバチやアシナガバチでも、体にじんましん等の異変があれば病院で治療を受けてください。

    また、ハチに1度刺されたことがある場合は、アレルギー反応(アナフィラキシーショック)でショック死することもあるため、速やかに病院で治療を受けてください。

© Earth Corporation.

アース製薬ホームページ引用

 

 

今日は何の日

人丸忌,人麿忌

歌人・柿本人麻呂の忌日。

月遅れの4月18日に明石の柿本神社で例祭が行われる。

 

小町忌

平安時代の歌人・小野小町の忌日。生没年は不詳。

『古今集』等の作者で、絶世の美女との伝説がある。

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

 

精霊の日

柿本人麻呂、和泉式部、小野小町の3人の忌日がこの日であると伝えられていることから。

 

点字ブロックの日

岡山県視覚障害者協会が2010年に制定。

1967年のこの日、岡山県岡山市の岡山盲学校の近くの国道2号・原尾島交差点に世界初の点字ブロックが敷設された。

 

明治村開村記念日

1965(昭和40)年のこの日、愛知県犬山市に博物館明治村が開村した。

博物館明治村は明治の建築物を保存展示する野外博物館である。

 

 

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

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    (一般社団法人日本記念日協会)