2022.3.13一日一季語 白子干(しらすぼし)  【春―動物―初春】

 

白子干し進化途上の物混じる   中原道夫

 

しらす漁は目の細かい網で行われるため、海に浮かぶ様々な生物も一緒に採取されます。海という大自然を相手のしらす漁。暖かい春の日差しを感じられる頃、各地でしらす漁が解禁となります。春の海は栄養満点のプランクトンが多く、それを食べるエビ・カニ・イカ・サバなど多くの小魚たちは、正に進化途上なのでしょう。

 

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*2022年3月  池袋 立ち食い寿司店にて

 

【傍題季語】

しらす ちりめんじやこ ちりめん 白子漁(しらすりよう)

白子船(しらすふね)

*2020年  沼津にて

 

 

【季語の説明】

俳句の季語としては、真イワシ・カタクチイワシ・ウルメイワシなどの、主にイワシ類の稚魚を「しらす」と言います。

「しらす」と「ちりめんじゃこ」、どちらも共通しているのは、「鰯の稚魚を使った食材」であるということ。

鰯は主に片口鰯(カタクチイワシ)を使用しますが、季節により真鰯(マイワシ)や潤目鰯(ウルメイワシ)なども使用されます。

 

 

【例句】

白子干す低き廂に浪荒び    福田蓼汀

旅先の暮らしのにほひ白子干  成瀬靖子

曙や現れて細身の白子船     鈴木鷹夫

白子干からびて人の逝かれけり 岸本尚毅

白子漁出船の前の網を干す     清水伊代乃

 

*2018年  江ノ島のしらす丼

 

【しらすとは】

しらすは特定の魚の稚魚ではなく、体に色素が無い白い稚魚の総称です。イカナゴ・ウナギ・カタクチイワシ・マイワシ・ウルメイワシ・アユ・ニシンなどがありますが、主に食用とされるのはイワシの仲間の稚魚です。網で捕獲するときにタコやイカ、エビやカニなどの幼生が混入していることもあります。

 

 

【しらすとちりめんじゃこ】

しらすと、ちりめんじゃこの呼び名の違いは乾燥度の違いから、「しらす(しらす干し)」や「ちりめんじゃこ」と呼び分けられています。

「釜茹でしたのみ」のものを「しらす(釜揚げしらす)」

「釜茹で後に少し干したもの」を「しらす干し」

「じっくり干して乾燥させたもの」を「ちりめんじゃこ」と呼びます。

「しらす」→「しらす干し」→「ちりめんじゃこ」の順に乾燥度が高くなります。

 

 

【しらすは何故白い】

シラスは加工する前は透き通った透明な体をしています。これは、大きな魚から体を隠す為だそうです。ですから、岩場で獲れたシラスは黒っぽく、河口など砂地で獲れたシラスは白っぽいそうです。たまに、黒っぽいシラスを見かけることがございますが、これは、獲れた場所による違いで黒くなったり白くなったりするそうです。

 

【しらすの語源】

「しらす」という言葉は、一説には時代劇でよく見かける白い砂利の敷かれた裁きの場所「お白州」からきていると言われています、しらすを干していて一面真っ白な状態が、お白州に似ていたことから名づけられたとか。いつしか、色の薄い稚魚を総称して、しらすと呼ぶようになりました。(身体が白い子、で「白子(しらす)」という説もあります)

 

 

今日は何の日

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

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(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)