2021.9.9  一日一季語 重陽(ちょうよう《ちようやう》)   【秋―行事―仲秋】

 

重陽や海の青さのよみがへり  大野崇文

 

大野さんの句には、温かみを感じます。肩を張らない自然体。超結社の句会、舵の会で知り合ったのが30年前。能村研三さん、中原道夫さん、正木ゆうこさん、梅田津さん、辻美奈子さんなど沖の句友も今は遠い存在。そんな中、新橋の割烹の店主でもある崇文さんは、吟行に同行してくれたり、今でもお付き合いしていただける句友の1人です。(簡単に句友と呼んですみません)

 

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*2018年  新宿御苑にて

 

【傍題季語】

重九(ちょうきゅう《ちようきう》) 菊の節句(きくのせっく《きくのせつく》) 菊の日(きくのひ) 今日の菊(きょうのきく《けふのきく》) 菊酒(きくざけ) 重陽の宴(ちょうようのえん《ちようやうのえん》) 菊の宴(きくのえん)

 

 

【季語の説明】

9月9日は、陽数(奇数)の中でもっとも大きい9が重なることから「重陽(ちょうよう)」と呼ばれ、祝われてきた五節句のひとつです。

重陽は「菊の節句」ともいわれ、菊のお酒を飲んで栗ご飯を食べ、長寿と無病息災を願うという、古来中国のならわしが日本に伝えられたものです。

日本では平安時代に正式な宮廷行事となり、臣下に菊のお酒や干魚がふるまわれ、土産まで用意されるなど盛大に行われました。

菊のお酒を飲むというならわしは、当時、菊の花は仙人の住むところに咲き、長生きの効能があると信じられていたからだそうです。幕府は重陽を祝日とし、庶民も菊の花びらを浮かべたお酒を飲み、栗ご飯を食べて長寿を祈願しました。

今日では、こうしたならわしはほとんど見られなくなりましたが、菊の栽培が発達したことから、菊の品評会などの行事が各地で行われています。

 

 

【例句】

重陽や青柚の香ある雑煮椀        水原秋櫻子

重陽や遺影の夫にコップ酒        下島千代子

重陽の掌にあたたかき卵かな      栗栖恵通子

重陽の雨のあかるきまま不意に       辻美奈子

重陽の絵皿を買うて帰りけり      荒井千佐代

 

【季語の関連行事など】

五節句の中でも一年の最後の節句で、九月は菊の花が咲く季節、そのため「菊の節句」とも呼ばれています。

菊には薬効があると信じられていたため、菊の花をお酒に入れて嗜む「菊酒」や、お風呂に入れて見た目や香りを楽しむ「菊湯」などの風習があります。

また、重陽の節句の前夜には、菊の花の上に綿を置いておき、菊の匂いを綿に着けて

翌日の朝にその綿で体を清めて不老長寿を願う「菊の被せ綿(きせわた)」と言う風習もあるそうです。

 

 

今日は何の日

菊の節句,重陽の節句

奇数は陽の数であり、陽数の極である9が重なることから「重陽」と呼ばれる。

古くは菊の節句と呼んで非常に盛んであったが、明治以降、急速に廃(すた)れた。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)