2021.7.25一日一季語 目高(めだか)  【夏―動物―三夏】

 

目高飼ふ少年の目の生き生きと       中道愛子

 

昭和生まれの私は、夏休みとなれば、父の田舎の田んぼで目高を捕ったり、蝉や蛍を見ることが出来ました。そんな子供の生き生きした姿を描いた句だと思います。環境省によると、「めだかの学校」で知られるように、日本人にとって最も身近といえる野生生物の一つです。しかし、近年は水環境の悪化や農村環境の開発、外来魚類の補食などの影響を強く受けて、全国的に激減してしまいました。また、河川ごとに種類が違うため、誤った保護をしたり、放流をすると、伝統的な遺伝子を失うことにもなるということです。

 

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【傍題季語】

緋目高(ひめだか) 白目高(しろめだか)

 

【季語の説明】

メダカ科の淡褐色の淡水魚。体長四センチぐらい。身近な田んぼや小川、池などで普通に見られ、日本人にもっとも親しまれている魚である。しかし、身近な存在であったばかりに、宅地造成や農業改革など人間活動の影響を強く受けて生息数が激減し、1999年には環境庁(現環境省)によって絶滅危惧種2類に指定されている。

 

 

【例句】

湧水の豊かに目高群をとく         水原春郎

眼ばかりと思ふ目高の生まれ立て      中尾杏子

子目高に影といふものなかりけり      石川笙児

一匹となりし目高に水を足す      増田幸子

手の影に目高寄り来る手水鉢      伊藤いな栄

 

【目高の種類】

メダカのように移動能力が低くて、地域ごとに適応した特徴を持つように進化した魚は、外見はほとんど同じでも遺伝的に異なる集団であることがわかってきている。新潟大学の酒泉満先生によると、DNA分析などの結果から日本のメダカはまず南と北で別の2集団に大別され、北日本では単一の集団であるが、南日本はさらに東日本型、東瀬戸内型、北九州型など9つの地域集団に分けられるという。

野生のメダカは、ミナミメダカ、キタノメダカ、チュウゴクメダカ、カンコクメダカの4種類に大きく分けることができますが、日本に生息しているメダカは、青森から近畿地方にキタノメダカ、それより南に生息しているミナミメダカの2種類がいます。そこからより細かく分類すると、キタノメダカは3つの種に、ミナミメダカは12の種に分けることができます。

 

日本に生息しているこの2種類のメダカの見分け方としては背びれの切れ込みの程度にあり、キタノメダカは切れ込みが浅く、ミナミメダカは切れ込みが深いです。

 

そしてキタノメダカは体の後ろに網目になった模様がありますが、ミナミメダカにはこのような模様はありません。メダカを見分ける際は、体の細部にまで注目して観察すると見分けが行いやすくなります。

 

【東京めだか】

葛西臨海水族園でも2006年から都内のメダカの生息調査を始め、東京生まれ、東京育ちで、ほかの地域のメダカの血が混じっていないメダカを「東京めだか」と愛称をつけて保全することにした。これまでに都内三十数カ所で調査したところ、うち二十数カ所でメダカの生息が確認できた。しかし、それらのメダカのDNAを調べたところ、九州や関西などほかのDNAを持ったメダカがほとんどで、本来東京にいたメダカと同じ東日本型のDNAを持つ集団は1カ所で見つかっただけであった。

 

 

【絶滅危惧種】

昔は小さい河川や田んぼの水路などでよくみられたメダカですが、絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。

絶滅危惧種にはⅠ類とⅡ類があり、Ⅰ類は絶滅の危機に陥っているもので、Ⅱ類は絶滅の危険が高まっているとされ、将来的にはⅠ類になる恐れがあるものです。Ⅰ類はⅡ類に比べて危険性が高く絶滅危惧種では、希少野生動植物種に指定され捕獲が法律で禁止されることがありますが、メダカは希少野生動植物種への指定はされておりませんので、自由に捕まえることができます。

 

 

今日は何の日

甘露忌,不死男忌

俳人・秋元不死男の1977年の忌日。

 

最高気温記念日

1933年のこの日、山形市で最高気温40.8℃が記録された。

この記録は長らく日本の最高記温記録となっていたが、2007年8月16日に熊谷市と多治見市で40.9℃を観測し、74年ぶりに記録が更新された。

 

かき氷の日

日本かき氷協会が制定。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

NIKKEI STYLE ホームページ引用(葛西臨海水族園前園長 西 源二郎)

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)