2021.7.16一日一季語 閻魔参(えんままいり/ゑんままゐり) 【夏―行事―晩夏】
ゑんまさまきつといい子になりまする 西野文代
閻魔(えんま)とは、地獄に堕ちる人間の生前の善悪を審判・懲罰するという地獄の主神、冥界の総司のことで、地蔵菩薩の化身といわれています。
とてもこわい存在ですが、落語や、昔話に登場するえんまさまは人間味があり、どことなく親しみが持てます。
この句では、口語となっていて、軽みがでているように思います。
怖い存在ではあるけど、人間味も感じる、そんな風に感じました。
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*2021年6月 蒟蒻閻魔にて
【傍題季語】
閻魔詣(ゑんままゐり)、十王詣(じゆうおうまゐり)、大斎日(だいさいじつ)、閻魔の斎日(ゑんまのさいじつ)、閻王(ゑんおう)
【季語の説明】
仏教では1月16日と7月16日は、閻魔王の縁日。
正月十六日を初閻魔、七月十六日を大賽日(さいにち)「閻魔参り」または「閻魔賽日」などともいいます。
江戸時代には旧暦1月15日が小正月、7月15日がお盆ということもあって、1月16日、7月16日は閻魔賽日(えんまさいじつ)といって閻魔大王を祀る寺では、縁日として賑わいました。藪入(やぶいり)で奉公先から休みをもらった人々も、閻魔詣でに繰り出したのです。江戸の太宗寺、善養寺、華徳院は「江戸三大閻魔」といわれました。
地獄の釜の蓋が開いて、鬼も亡者も責め苦から免れ、休む日とされています。地獄変相図をかかげ、一般に拝観させたり、普段は公開していない、閻魔像を公開したりします。
【例句】
閻王の眉は発止と逆立てり 高濱虚子
寝るまでは閻魔の蝋を守りけり 阿波野青畝
閻王に懺悔まゐりの嫁姑 済 山童
熱き茶のうまくて閻魔詣かな 綾部仁喜
口唇の彩抜け落ちし閻魔かな 茨木和生
【季語の語源など】
1月と7月(地域によっては8月)の16日に閻魔さまを訪ねる「閻魔詣で」あるいは「閻魔参り」は、別名「薮入り」とも言われる両日は、どんなに厳しいところに仕えている使用人にもお休みが与えられたと言います。「地獄の亡者さえも責め苦を免れる日」は、なんぴとも安らかに過ごしなさいということになるのでしょうか。
*2019年7月16日 新宿 大宗寺にて
【江戸44閻魔】
“お江戸百閻魔で名高きおえんまさま、現代に生きる44体をさがしました”という見出し
下町タイムスというところが1989年に出した「江戸東京のお閻魔さま四十四ケ所を歩く」という絵地図のような出版物があるそうです。
江戸ご府内に鎮座していた100体の閻魔さまや奪衣婆を祀るお寺の中で、現在でも存在するお寺を44社探して一覧にして紹介したものだと思われます。
東京タワーから最寄り順に番号をつけて並べられています。43と44番目には閻魔さまはおいででなく奪衣婆像のみ、また、42番目は現在の行政区では千葉県となります。すでにこのブログでいくつかのお堂、例えば目黒不動尊や九品仏のような有名どころも入っています。
【今日は何の日】
閻魔賽日,十王詣
正月16日と7月16日の閻魔賽日(地獄の釜の蓋が開いて鬼も亡者も休むとされる日)に、寺院で十王図や地獄相変図を拝んだり、閻魔堂に参詣したりすること。
十王とは地獄にいて亡くなった人の罪を裁く10人の判官のことで、特に閻魔王のことを指す。
盆送り火
盆の最終日。祖先の精霊を送る為に火を焚く。また、祭壇に供えたものは精霊船に乗せて川や海に流す。
月遅れの8月16日や旧暦7月16日に行う地方もある。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)
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