2021.6.10一日一季語 蜥蜴(とかげ)  【夏―動物―三夏】

 

熊野みち光る蜥蜴に導かれ    小田元

 

蜥蜴は、古くから竜神の転写した姿だと云われ「神の遣い」として、大切に扱われてきました。熊野は、川や滝、巨岩に神が宿るとして崇める自然崇拝を起源としています。蜥蜴という有史以前から地球にいる生物に導かれれるのは、、神様に歓迎されているというメッセージかもしれません。

 

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*2021.6.7  ニホンカナヘビ(蜥蜴ではないようです)

 

【傍題季語】

青蜥蜴(あおとかげ《あをとかげ》) 瑠璃蜥蜴(るりとかげ) 縞蜥蜴(しまとかげ)

 

 

【季語の説明】

トカゲは爬虫類の仲間で、その種類は知られているだけでも約4,500種類。さまざまな環境に適応し、世界各地に生息しています。日本でも暖かい季節になると身近に見かけるようになります。

カエルやイモリの仲間である両生類から進化した爬虫類は、進化の過程で水中から陸へ上がる能力を手に入れました。その結果、爬虫類は、水場から離れら

 

体は細長く、円筒状のトカゲ科の爬虫類で、全長二〇センチに達し、尾が長い。成体は一様に茶褐色であるが、幼体は背が黒色で縦筋が走り、尾は鮮やかな青色をしている。夏、草むらや石垣の隙間などにいて小虫を捕食する。敏捷(びんしよう)で腹を地につけるようにして走る。尾は切れやすく切れても再生するが短い。

 

 

【例句】

蜥蜴消ゆ石に光の綾のこし        吉岡純子

人の世や蜥蜴の尾切るショータイム    福村壽子

日時計の細き影より黒蜥蜴        斉木永久

いくさ無き国に鎧ひし蜥蜴の子        吉田すばる

東京の人は土買ふ蜥蜴飼ふ       篠崎央子

 

【爬虫類が陸へ上がることができた理由】

爬虫類が陸へ上がることができた理由は、大きく2つあるといわれています。

1つ目は、爬虫類の体の特徴でもある「硬い角質でできた丈夫な鱗や甲羅」。これによって爬虫類は、水がない陸上でも、体内から水分が失われるのを防いでいます。

2つ目は「卵を覆う硬い殻」です。卵が孵化するまでのあいだ、硬い殻が外敵から卵を守ってくれるほか、水中にないと乾燥してしまう卵が、乾燥にも耐えられるほど強くなりました。

 

【現在に残った爬虫類の4つのグループ】

爬虫類は、約3億年前に地球に現れたとされています。その多くが絶滅したものの、環境の変化に適応したものが、トカゲ、ワニ、カメ、ヘビなどへと進化していきました。現在、爬虫類の仲間は、大きくワニ目、カメ目、有鱗(ゆうりん)目、ムカシトカゲ目の4つのグループに分けることができます。

ちなみに、鳥も爬虫類の仲間から進化したといわれています。鳥の足を見てみると鱗で覆われているのがその名残のようです。

 

 

【ニホンカナヘビ】

日本で一般に知られている「トカゲ」には、正真正銘のトカゲである「ニホントカゲ」とまったく別のグループの爬虫類である「ニホンカナヘビ」の2種があります。ニホントカゲは北海道から九州まで、日本全国に普通に分布しています。

最も身近に見られる爬虫類であるニホンカナヘビ。トカゲの仲間で、関東地方では「トカゲ」というと「カナヘビ」である場合が多いです。

カナヘビはよくニホントカゲと混同されますが、全く別の生き物です。体型や生態の違いもありますが、一番わかりやすいのは体色の違いです。

 

ニホントカゲの幼体はとても美しく、胴体に黒色をベースに黄色のラインが入っており、尻尾は鮮やかな青色になっているのに対して、カナヘビは茶色です。

 

ニホンカナヘビの特徴

尾が体の長さの半分以上にもなる日本固有のトカゲ。光沢のない茶色をしており、目から尾にかけて濃い茶色の帯が走り、その下に肌色の線が入る。口先は三角形をしており、先端に鼻の穴が見える。細長い指を持っており、特に薬指が長い。人家の庭や公園などでよく目にするトカゲで、茂みや植木鉢の下、コンクリートの隙間などを出入りする姿を見かける。

カナヘビの語源については詳細不明であるが、「可愛いらしい蛇」の意で「愛蛇(かなへび)」に由来するとの説がある。

 

 

【琥珀に閉じ込められた化石】

2020年3月、ハチドリほどの大きさの9900万年前の生物オクルデンタビス(Oculudentavis khaungraae)は、「史上最小の恐竜化石」として報じられ、世界中で話題となった。だが、新たに報告された化石から、この生物は実際には恐竜でなく、風変わりなトカゲの仲間である可能性が高いことがわかった。

 最初に報告されたオクルデンタビスの化石は、琥珀に閉じこめられた頭骨で、学術誌「Nature」の2020年3月12日号で発表されたほか、ナショナル ジオグラフィックを含む各メディアが取り上げた。

 頭骨の長さは14ミリメートルで、トカゲのような目をもつ。科学者たちは当時、これを恐竜の系統に連なる最初期の鳥の仲間と考えた。史上最小の恐竜化石として大きな話題になったのはそのためだ。(参考記事:「琥珀の中に史上最小の恐竜化石、異例ずくめ」)

 

「全てのトカゲの母」

鳥類と並んで、有鱗目は地球上で最も多様性に富み、最も広く分布している四肢動物のグループです。2億4000万年前の化石は、「全てのトカゲの母」と呼ばれ、トカゲやヘビを含む全ての爬虫類有鱗目(ゆうりんもく)の共通祖先とされています。

 

 

今日は何の日

時の記念日

東京天文台と生活改善同盟会が1920年に、「時間をきちんと守り、欧米並みに生活の改善・合理化を図ろう」と制定。

「日本書記」の天智天皇10年4月25日(グレゴリオ暦換算671年6月10日)の項に、"漏刻を新しき台に置く。始めて候時を打つ。鐘鼓を動す。"とあることから。「漏刻」とは水時計のことである。

 

源信忌,惠心忌

平安中期の天台宗の僧侶・源信の1017(寛仁元)年の忌日。

比叡山横川の恵心院に住んだので惠心僧都とも呼ばれる。

 

長明忌

鎌倉時代の随筆家・鴨長明の建保4(1216)年の忌日

 

谷津干潟の日

千葉県習志野市が1997年に制定。

1993年のこの日、習志野市の谷津干潟が、水鳥の保護のための湿地に関する条約「ラムサール条約」の登録地に登録された。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)