2021.5.31一日一季語 更衣(ころもがえ《ころもがへ》) 【夏―生活―初夏】
ころがりし鈴の音もよし更衣 村越化石
和服では、絽や紗など薄ものに切り替え、帯や帯揚げ帯締め・下着の襦袢類も涼やかな夏用の素材に替える。
そんな着替えの最中に、転がりだした鈴。この鈴は、財布の根付け、扇子などの小物についている鈴でしょうか。
心地よい鈴の音もまた、涼しさを運んできてくれます。
⇒画像をクリックするとブログ記事が読めます。
【傍題季語】
衣更ふ(ころもかう《ころもかふ》)
【季語の説明】
日本人の普段着が和服だった頃、この日に裏地をつけた「袷」から、裏地のない「単衣(ひとえ)」に替えた風習です。
更衣は、平安時代には、陰暦4月1日、10月1日に行われていたそうです。江戸時代、四月一日と書いて「わたぬき」と読むようです。この日に綿入れを脱いだからだという由来があります。江戸幕府では、このほかに5月5日・9月9日などにも着替える定めがあったということです。現在では、現在では、学校や企業などの制服を、一般に6月1日と10月1日に替えるところが多いようです。
五~六月に夏服への更衣を行う。夏の更衣に対して、十月一日に冬服に替えることは後(のち)の更衣といいます。
【例句】
更衣選ぶも着るもひとりかな 能村登四郎
妻見舞ふ恋のごとくに更衣 梅本豹太
更衣貝殻骨をひらくかな 大島雄作
衣更へて思ひつくことすぐにする 岡本眸
住み馴れて来て好きな町更衣 橋本佐智
【更衣】
俳句では衣替えのことを「更衣」と書き、「ころもがえ」と読ませるのが決まりだそうです。「『ころもがえ』は現代俳句でも『更衣』と書き、『衣更』と書いてはならない」と『大歳時記』(集英社)にあるのだといいます。
使い方の例をみると、衣更て。動詞として使う場合は、この表記としてする俳人もいるようです。
【COOL BIZ -クールビズ】
『COOL BIZ -クールビズ-』とは?
クールビズが始まったのは2005年「夏場の軽装による冷房の節約」がクールビズの目的。当初は、ビジネスシーンでなかなか受け入られず、年を重ねるうちにクールビズが定着し、現在では多くの企業で実施されています。
クールビズの基本的なスタイルは「ノーネクタイ・半袖シャツ」、涼しい服装になります。
2020年(令和2年)3月31日、環境省は “軽装や重ね着” などで冷暖房の過度な使用を控える「クールビズ」の実施期間を廃止し、2021年(令和3年)4月1日から実施すると発表。これは、環境省が管轄する啓発事業の効率化が目的としている。
例年政府全体で5~9月を実施期間と定めていたが、「ネクタイを締めるかどうかは一人ひとりが決めることが大事」との小泉進次郎環境相の考えに基づき、各省は今年度から期間を決めない形に変えている。
その為、環境省による「クールビズ」の呼びかけは、2020年(令和2年)度で最後となった。
期間を定めないクールビズについて「(気温などに)地域差があるし、温度の感じ方がそれぞれ違う。個々の状況に応じて取り組んでほしい」と呼び掛けています。
【今日は何の日】
青峰忌
俳人・嶋田青峰の1944年の忌日。
新興俳句運動に理解を示していたことから、1941年、治安維持法による新興俳句派に対する弾圧事件「俳句事件」に連坐して起訴され、留置場で喀血して釈放されたが、病状が悪化し亡くなった。
世界禁煙デー
喫煙が原因とみられるガンや心臓病などで毎年多くの人々が亡くなっていることから国連の世界保健機関(WHO)が世界人類の人々の健康のために禁煙を推進するために設けた日。喫煙者の副流煙による健康被害も問題になっている。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)