2021.5.21一日一季語 竹の皮脱ぐ(たけのかわぬぐ《たけのかはぬぐ》)   【夏―植物―三夏】

 

竹皮を脱ぐやこどもはいつも旬    辻美奈子

 

初学の頃、沖にて一緒に学んだこともある辻美奈子氏。彼女の接している職業柄か、命を大事にし、生命力を感じられる句には秀句が多い。

この句からも、季語の持つ成長していく力と子供を対比させ、生命力溢れた句に仕上げている。俳句はわび、さびの世界、美しい物を詠む、などだけの世界では無い、普段目にする、触れ合う事からも、生き生きとした句は生まれるのです。

 

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*2021.5.17  群馬県藤岡山中にて

 

【傍題季語】

竹皮を脱ぐ(たけかわをぬぐ《たけかはをぬぐ》)、 竹の皮(たけのかわ《たけのかは》)、竹の皮散る《たけかはちる》、竹落葉《たけをちば》

 

【季語の説明】

筍(たけのこ)の成長は盛んで、昨日まで頭を出しただけの筍が、翌日にはぐんぐん伸びて、根本から皮を脱ぎます。そして、伸びるにつれて、下方の節から順に皮を脱いでいくのです、

竹皮は、天然の抗菌性と通気性に優れ、時間が経っても中身が蒸れずに美味しくいただけると、古くからおにぎりや牛肉などの包装材として重宝されてきました。

孟宗竹の皮は黒斑、粗毛ががあり剛く、細工には向かないようです。真竹の皮は包装に使い、草履や傘の材料になります。

竹の皮は葉鞘(ようしよう)が変化したもので、自然に脱落するころに採取し、用いるそうです。

 

 

【例句】

豹紋のある竹の皮脱ぎはじむ    鷹羽狩行

竹皮を脱ぐ人影をやり過し     伊藤登紀

今年竹皮掃く僧の青頭       大森ムツ子

野放図に伸び竹の皮まだ脱がず   東野鈴子

竹皮を脱ぐ少年は声変り          山田正子     

 

 

【竹の皮】

筍(タケノコ)の発生時期は、孟宗竹は3~5月、淡竹(はちく)は5~6月、真竹は6~7月で、40~50日で伸長が終わり、その後1~2ヶ月程度で枝葉が充実して成長が完了する。筍が成竹(12~14m)に成長する過程で、皮が落ちる。 緑色が美しい竹の稈の「表皮」   には、抗菌効果(キノン類・タンニン類化合物)、抗酸化効果(リグナン類・フラボン類化合物、ラクトン類・フェノール酸類化合物)、消臭効果(フェノール類・フラボン類化合物)等が含まれているといわれている

 

 

【「竹の皮」の種類】

食品包装資材として利用されている「竹の皮」は主に真竹の皮で、孟宗竹の皮は鹿児島県の灰汁巻(あくまき)や石川県の菓子あんころ以外にはほとんど使われていない

 

 

【駅弁での利用】

駅弁の最初のルーツは、明治18年に宇都宮駅で発売された駅弁(日本鉄道(株)の依頼で白木屋旅館が製造)が日本初のものである。梅干を入れて黒ゴマをふりかけたにぎりめし2個に沢庵を添えたものを「竹の皮」で包んだ弁当で、金五銭で売り出されたと伝えられている。 当社の製品は、当初真竹の皮を素材としたものであったが、その後厚みがある孟宗竹の皮を使った「孟竹容器」、竹の皮の風合いや味わいをもたせた「竹皮貼容器」を続けて販売する。 のちに、竹皮容器の拡販にもコストの低い物が求められるようになり、孟宗竹皮に真竹を貼り合わせて機械でプレス加工した「竹皮プレス容器」を商品として導入する。 そして更にデザイン性を重視し、孟宗竹の竹皮を編み込み機械で貼って仕上げる「竹皮BOX」  まで竹皮容器は進化した

経済産業省  中国経済産業局  広報誌

旬レポ中国地域2012年12月  引用

 

 

今日は何の日

小学校開校の日

1869年(明治2年)5月21日、京都で日本最初の小学校が開校したことが由来。日本初の小学校は上京(かみぎょう)第二十七番組小学校と下京(しもぎょう)第十四番組小学校が開校。


リンドバーグ翼の日

1927年(昭和2年)5月21日、アメリカのチャールズ・リンドバーグがパリに到着、大西洋無着陸横断飛行に成功したことが由来。


探偵の日

社団法人探偵協会が制定。1891年(明治24年)5月21日、日本で初めて探偵の広告が新聞に掲載されたことが由来。


ニキビの日

ガルデルマ株式会社と塩野義製薬株式会社が制定。「いつも(5)ニキビは(2)皮膚科へ(1)」の語呂合わせ。「青春のシンボル」とされるニキビ。しかし、ニキビは顔などにできることが多い疾患であり、とくに夏場は要注意の季節。本格的な夏を前に悩んでいる人に「ニキビは皮膚科で治療が可能な疾患」であることを認知してもらう目的。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)

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