2021.4.18 一日一季語 著莪の花(しゃがのはな《しやがのはな》) 【夏―植物―初夏】
武蔵野の湧水池はや著莪咲けり 吉野さと
今年の著莪の花の開花は、桜と同時に、著莪の花も咲いているのを見ます。この句のような、はや咲けりの状況のところが多いようです。
武蔵野三大湧水池というそうです。
井の頭公園の井の頭池、善福寺公園の善福寺池、石神井公園の三宝寺池の三カ所。これらは、古くからある湧水池だそうです。三カ所とも近くに縄文遺跡が存在し、そのまれな風景の価値を縄文時代人も感じていたのかもしれません。
⇒画像をクリックするとブログ記事が読めます。
【傍題季語】
著莪の花(しゃがのはな《しやがのはな》)
【季語の説明】
アヤメ科のシャガ(射干、著莪)は、別名コチョウバナ(胡蝶花)とも呼ばれ、古い時代の中国からの帰化植物です。白や薄紫色の花を咲かせる常緑の多年草。雑木林の木陰など、明るい日陰の湿り気のある場所に多く自生していて日本各地でも見ることができます。花は、朝開いて夕方には萎(シボ)みますが、たくさんついた蕾がつぎつぎに咲きます。
【例句】
高僧と一つ食堂著莪の雨 柴田由乃
あれこれと裏目続きや著莪の花 師岡洋子
著莪咲くや湖畔に旧りし道祖神 上田尚義
花著莪や寝て一畳の流刑小屋 稲田節子
板塀の節穴に見る著莪の庭 安藤久美子
【著莪の花の由来】
日本のシャガ(著莪)はタネをつくることはせず、長い地下茎を伸ばしてどんどん増えて次々と花を咲かせます。そんな独特の生態を選ぶ決断をしたというイメージから「決心」という花言葉が付けられたそうです。また、シャガ(著莪)があまり日当たりが良くない場所に自生して美しい花を咲かせることから「私を認めて」という花言葉が付きました。
シャガ(著莪)の名前は、似ているヒオウギ(檜扇)と間違われてヒオウギ(檜扇)の中国名である射干(she gan)と呼ばれたことに由来していると言われています。射干を日本語読みしてシャガ(著莪)になったという説があります。
【今日は何の日】
お香の日
全国薫物線香組合協議会が制定。
日本書紀の「推古天皇3(595)年の4月に淡路島に香木が漂着した」とあるのが日本のお香についての最初の記述であることと、「香」の字を分解すると「一十八日」になることから。
防犯の日
毛穴の日
よいお肌の日
ウッドデッキの日
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)