2021.3.28  一日一季語 ものの芽(もののめ)  【春―植物―初春】

 

ものの芽や砂の山より砂の川 今村恵子

 

この句のものの芽は、マクロなものとして捉えていて、二句一章で、砂でつくられら砂山から流れ出てくるのは、砂の川というこちらも、マクロな物が取りあわせられているのように思います。

季語と物。これ以外のことは何も述べられていない。句を読んだ側にその解釈を委ねている、

 

⇒画像をクリックするとブログ記事が読めます。

 

*2021.3.26  新宿御苑にて

 

 

【関連季語】

「木の芽」「草の芽」

 

【季語の説明】

春に萌え出るいろいろの植物の芽。「芍薬の芽」など、特定の植物の名前を入れたこれという特定の草木の芽ではない。春の息吹を感ずる言葉、雰囲気を捉えた言葉。春の大地の息吹の現れであり、新しい命の芽生えを表します。

 

角川合本俳句歳時記

「早春に萌え出る植物の芽のこと、木の芽より草の芽ついていうことが多い」

富安風生編歳時記

「春萌え出づる何やかや、もろもろの芽を総括した名称。しかし、感じとしては草の芽が頭に浮かぶようだ」

 

【例句】

ものの芽に星の欠片のかかりたり     山田禮子

地に出れば衆目重き物芽なる        中原道夫     

ものの芽のまだ風知らぬうすみどり   橋本佐智

ものの芽や赤子には無き土不踏       関位安代

ものの芽や杭打つ音の空にある       宇田喜美栄

 

 

【季語の語源など】

早春に萌え出るもろもろの芽のことで木の芽・草の芽を総称して「ものの芽」と言う。

※ 樹木の芽の総称は「木の芽」と言い別題となる。

 ※ 草の芽の総称は「草の芽」と言い別題となる。

 

 

今日は何の日

京都裏千家利休忌

 

宗因忌

江戸前期の連歌師・俳人の西山宗因の1682(天和2)年の忌日。

井原西鶴の師としても知られ、俳壇の中心的存在として活躍した。

 

鑑三忌

明治、大正時代のキリスト教指導者で評論家の内村鑑三の1930(昭和5)年の忌日。

1891(明治24)年に信仰上の立場から教育勅語に対する敬礼を拒否して第一高等中学校講師の職を追われて以来著述に専念した。雑誌『聖書之研究』を創刊し、聖書に基づく無教会主義を唱えた。英文による『余は如何にして基督信徒となりし乎(How I become a Christian)』は数か国語に翻訳された。

 

邂逅忌

小説家・椎名麟三の1973(昭和48)年の忌日。

長編作品『邂逅』から邂逅忌と呼ばれる。

椎名麟三を偲ぶ会主催の追悼会が行われる。

 

シルクロードの日

1900年のこの日、スウェーデンの探検家・地理学者のスウェン・ヘディンによって、廃虚になっていたシルクロードの古代都市・楼蘭が発見された。

 

スリーマイル島の日

1979年のこの日、アメリカ・ペンシルベニア州のスリーマイル島原発で炉心溶融事故が発生した。世界初の原発事故だった。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)