2021.3.25  一日一季語  鷹化して鳩と為る(たかくわしてはととなる)   【春―時候―仲春】

 

鷹鳩と化しぞんぶんにたむろせり    櫂未知子

 

たむろ。屯という字を書くそうです。屯する」というのは、仲間がみんなで集まる、という意味なのだそうです。例えば、「新撰組屯所跡」などと使われる「屯所(とんじょ/たむろじょ)」が兵士などが集まる場所を指すように、1ヵ所に大勢の人が集まっている様子を表すことばだという。

個人的には、暴走族のあんちゃんがコンビニの駐車場にたむろしているような姿が頭をよぎる。

鳩の話に戻ると、鳩は帰巣本能が高い生き物なのだという。一度気に入った場所には、しつこくやってきます。鳩は一年中繁殖期で子供を生むので、居心地がいい巣があれば居着いてしまうそうです。駆除するのが大変そうですね。

 

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【傍題季語】

鷹鳩と化す(たかはととかす)、 鳩と化す鷹(はととかすたか)、鷹鳩に(たかはとに)

 

【季語の説明】

七十二候のひとつ。啓蟄の第三候。陽暦では、おおよそ三月十六日~二十日頃。中国の「呂氏春秋(りょししゅんじゅう)」という本の中に「鷹化為鳩」という言葉があります。獰猛な鷹が春のうららかな陽気によって鳩と化すこと。鷹が鳩に姿を変えるという、幻想的な春の気分を表す言葉です。

 

 

【例句】

鷹鳩と化し神木は歩かれず       鷹羽狩行

鷹鳩と化すや眼鏡の割れしまま       菅原鬨也

鷹鳩と化して山家に微笑仏        嶋津亜希

鷹化して鳩尾にあり日の剣         五島高資

鷹鳩と化すカフェオレの白き髭    梅沢富美男

 

 

【鷹匠】

江戸時代では天皇家や大名に仕えて鷹を調教し、狩りに同行していたそうです。 そんな鷹匠、最近では「害鳥駆除」という仕事で引っ張りだこなのだとか。

害鳥とされるカラスや鳩も「鳥獣保護法」で守られているので、許可なく補獲することができないんですよ。もちろん殺してもいけない。だから捕まえるのではなく追い払うのですが、それができるのが鷹なんです。猛禽類は鳥類の中で最も強い生態系の頂点にいるので、カラスや鳩が恐れるのを利用するのだそうです。

 

今日は何の日

蓮如忌

浄土真宗中興の祖・蓮如上人の1499(明応8)年の忌日。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)