2021.3.19  一日一季語 椿(つばき)  【春―植物―三春】

 

 

病む夫の書を読む窓辺椿咲く  長山あや

 

この句のような、悲しさを乗り越えて、ちょとした喜びを感じるような句に、共感します。椿咲くという季語の持つ、明るさ、希望を感じられる。

実家の狭庭にある椿。昨年、チャドクガにやられたが、駆除の甲斐があったのか、少し蕾を持っていたが、今日の暖かさで咲き出しました。

 

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【傍題季語】

山椿(やまつばき) 藪椿(やぶつばき) 白椿(しろつばき) 紅椿(べにつばき) 乙女椿(おとめつばき《をとめつばき》) 八重椿(やえつばき《やへつばき》) 玉椿(たまつばき) つらつら椿(つらつらつばき) 花椿(はなつばき) 椿林(つばきばやし) 落椿(おちつばき)

 

【季語の説明】

ツバキ科の常緑高木の花。「椿」は国字で、春の事触れの花の意。椿(ツバキ)は日本原産の植物であり、日本を代表する美しい花木の一つとなっています。光沢のある緑色の厚い葉と、その周囲にある上向きの細かいギザギザが特徴です。日本にもともと自生していたのは藪椿であり、それをもとに園芸種が多数作られたそうです。八重咲きと一重咲きとがあり、鮮紅・淡紅・白色など色はさまざまです。

 

【例句】

てのひらの椿てのひらの肉かくす    鳥居真里子

曇る日をつひに無言の椿かも      中塚龍之介

黒潮に錆びてゐたりし白椿       武井美代子

椿散る白鳳仏のうすごろも             酒本八重

藪椿寺百選の水秘むる                  寺岡ひろし

 

 

【椿と日本人】

種子(椿油)や材は今から2300年以上前の縄文時代からから人々の生活に利用され、花も古くから貴族に愛され日本書記(685)にツバキを天武天皇に献上した記録があります。室町時代以降(1338~)武士に価値を見出されツバキが庭園、華道、茶道で使われるようになり園芸化が進みます。

 

江戸時代、徳川将軍家は、初代家康から3代続いて花好きでした。とりわけ2代秀忠はツバキを好み、諸大名らに広がり「寛永のツバキ」(1624)の流行が起こりました。また、江戸時代後期には、プラントハンターやシーボルトに紹介され、1830年頃冬のバラとしてヨーロッパで日本のツバキのブームが起こりました。

 

 

【古事記・日本書紀】

「古事記」では”都婆岐(つばき)”、

 「日本書記」には ”海石榴(つばき)”の字で 登場するそうです。

 現在の奈良県桜井市金屋に、昔(奈良時代等)、「海石榴市(つばいち)」という市場があり、交通の要所ということもあり賑わったそうです。

 ”椿”の字は 「万葉集」で初めて登場するということです。

 

 

今日は何の日

カメラ発明記念日

ミュージックの日

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)