2021.3.5  一日一季語 啓蟄(けいちつ)  【春―時候―仲春】

 

人集ひくる啓蟄の百草園      小山徳夫

 

東京生まれの私には、百草園というと、京王線百草園駅下車徒歩10分にある歴史ある日本庭園「京王百草園」を思い浮かべます。

園内の有名な「寿昌梅(じゅしょうばい)」を筆頭に、梅の開花の季節には約50 種500 本の梅たちが咲き競い、園の華やかさも最高潮に達します。

「江戸名所図会」などにも紹介され、徳冨蘆花、大田南畝、田山花袋、北村透谷、若山牧水らが訪れています。

ホームページによると、「観梅期間」の終了する3月7日までは十分梅が楽しめそうです。ということなので、この句のように、多くの人が梅を楽しみに出かけることでしょう。

 

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【傍題季語】

関連季語

 → 蛇穴を出づ

 → 地虫穴を出づ

 

 

【季語の説明】

二十四節気の一つで、新暦三月五日ごろにあたる。暖かくなってきて、冬眠していた蟻・地虫・蛇・蛙などが穴を出るころとされる。

※実際に、動物や虫(種類によって違いますが)が冬眠から目覚めるのは、最低気温が5度を下回らなくなってから、平均気温が10度以上になってからだそうです。

 

【例句】

啓蟄の鳩舞ひ遊ぶ浅草寺      皆川盤水

啓蟄の寺の閂はづさるる      大関靖博

啓蟄や勾玉出でし古墳村      伯井茂

啓蟄の土蔵の鍵に油さす      町野昭人

活断層啓蟄の虫驚かす        中山砂光子

 

 

【季語の語源など】

3月6日頃(2021年は3月5日)。および春分までの期間。

太陽黄径345度

雨水から数えて15日目頃。

 

啓は「ひらく」、蟄(ちつ)は「土中で冬ごもりしている虫」の意味で、大地が暖まり冬眠していた虫が、春の訪れを感じ、穴から出てくる頃です。

菰(こも)はずし を啓蟄の恒例行事にしているところが多いそうです。

 

まだまだ寒い時節ではありますが、一雨ごとに気温が上がり、日差しも徐々に暖かくなってきます。春雷がひときわ大きくなりやすい時季でもあります。

 

 

今日は何の日

サンゴの日

「さん(3)ご(5)」の語呂合せと、珊瑚が3月の誕生石であることから。

 

ミスコンの日

1908(明治41)年のこの日、時事新報社が全国から「良家の淑女」を対象に写真を募集し、その審査結果を公表した。これが日本初のミスコンテストとなった。

1等に選出されたのは小倉市長・末弘直方の四女・ヒロ子で、学習院女子部3年に在学中だった。彼女の兄が本人の承諾なしに応募したものだったが、コンテスト参加は学習院で大問題となり、彼女は退学処分になってしまった。

 

スチュワーデスの日

1931(昭和6)年のこの日、東京航空輸送が実施した日本初のスチュワーデス採用試験の結果が発表された。

「エアガール」という呼び名で募集され、2月5日に試験が行われた。140人の応募に対し、合格者は3人だった。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)