2020.9.24 一日一季語 萩(はぎ) 【秋―植物―初秋】
乳母車萩のトンネル抜けて来る 阿部悦子
萩のトンネルといえば、向島百草園。
9月23日現在、園内の #萩(#ハギ)は全体的に『見ごろ』、萩のトンネルは『五分咲き』です。ツイートで開花状況を調べてから訪れることもできます。
親子連れ。老夫婦、俳人、多くの人がこのトンネルを楽しみにしていることでしょうね。
*2019年 向島百草園にて
【傍題季語】
萩の花(はぎのはな) 白萩(しらはぎ) 紅萩(べにはぎ) 小萩(こはぎ) 山萩(やまはぎ) 野萩(のはぎ) こぼれ萩(こぼれはぎ) 乱れ萩(みだれはぎ) 括り萩(くくりはぎ) 萩日和(はぎびより)
【季語の説明】
秋の七草の一つで、マメ科ハギ属の落葉低木または多年草。代表的な種は宮城野萩(みやぎのはぎ)。山野に自生し、庭園にもよく植えられる。自生種も多く古来秋を代表する花だったので、草冠に秋と書いて「はぎ」と読ませた。
日本各地の山野でごくふつうに見られ、萩といえば山萩(やまはぎ)を指す。
東京近辺で見られるものは「宮城野萩(みやぎのはぎ)」と「山萩」がほとんどだということです。
【例句】
白萩に風紅萩に風の先 稲畑汀子
これからの萩のこぼれを見届けむ 坂本敏子
萩の寺墓地より猫の帰り来る 石山惠子
萩咲きし事も告げたり母の墓 山本潤子
裏口の神官の靴乱れ萩 阿部昭子
【季語の語源など】
秋の七草の一つであるハギは、『万葉集』に最も多く詠まれていることからも、古くから日本人に親しまれてきた植物だといえます。ハギの仲間は種類が多く、なかでも最も広く栽培されるのが、ミヤギノハギ(Lespedeza thunbergii)です。刈り込んでも枝を1m以上伸ばすほど生育おう盛です。枝垂れて、晩夏から秋にかけて、多数の赤紫色の花を咲かせるのが特徴です。自生がないため、人為的に作出されたと考えられ、本州日本海側の多雪地帯に分布するケハギ(L.patens)から選抜されたとも、中国原産であるともいわれますが、その起源は明らかではありません。
ユリやラン、ツツジが、特定の種類の植物名ではなく、共通の特性をもつグループの総称であるように、「ハギ」は、ヤマハギ(L.bicolor)やマルバハギ(L.cyrtobotrya)、ケハギなどの野生種や、その園芸品種の総称として使われています。どれも栽培容易で、秋の風情を楽しむことができます。
【イベント中止のお知らせ】
向島百花園
毎年秋に開催をしております「虫ききの会」「月見の会」「萩まつり」につきまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、開催中止を決定致しました。
楽しみにしてくださった皆様には大変申し訳ありません。ご理解いただきますよう、よろしくお願い申し上げます
【今日は何の日】
南洲忌
西郷隆盛の1877(明治10)年の忌日。
言水忌
俳人・池西言水の1722(享保7)年の忌日。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)