2020.9.16一日一季語 秋の蝶(あきのちょう《あきのてふ》) 【秋―動物―三秋】
秋蝶や心もとなき手書き地図 栗原公子
秋蝶の力の弱さ。心もとない手書き地図との微妙な取り合わせが響きます。
正確さにはかけるが、味わいのある手書きならではの秘めた力強さもうらには有るのかもしれません。
*2020.9.9 山梨県 昇仙峡にて
【傍題季語】
秋蝶(あきちょう《あきてふ》)
【季語の説明】
八・九月のころは盛んに飛び回っていた蝶も晩秋になるとめっきり数も減り、姿も弱々しく、飛び方にも力がなくなる。
関連季語
→ 蝶(春)
→ 夏の蝶(夏)
→ 冬の蝶(冬)
【例句】
秋の蝶付けてくれたる形見分 大島雄作
上棟の祝詞の招く秋の蝶 泉田秋硯
わたくしの忘却曲線秋の蝶 佐藤弘香
秋蝶の影の大きく飛び立ちし 三井公子
秋蝶の微熱の羽を休めをり 奥田茶々
【アサギマダラ】
夏の暑さが一段落して、涼しくなってくると見られるのが、この蝶です。浅黄色(薄い青)の綺麗な姿を見ると、秋を感じます。アサギマダラは夏の暑い時期を信州や南東北で過ごし、この時期に奄美大島や沖縄本島へ帰ります。海を渡る蝶としてTVで紹介され、飛翔ルートの調査のためにマーキングが行われるなど、有名になりました。
【蝶の数え方】
「蝶」の数え方は一頭、二頭と数えます。
蝶の数え方は、牛や馬などの大型動物と同じ「頭」になります。蝶は昆虫なので、ほかの昆虫と同じように「匹」と数える人も多いようですが、なぜ、蝶は「頭」という数え方になったのでしょうか。
蝶を「頭」と数えるようになった正確な理由はわかっていないようですが、よく知られているものとして「西洋の動物園での数え方が定着した」という理由・由来があります。
動物園には、大きな動物以外にも、小動物や珍しい昆虫なども飼育されています。もちろん蝶もです。そんななか、西洋の動物園では、飼育している動物や昆虫を特に区別せず、すべて「head」とという単位で数えていました。昆虫の「head」という数え方が、当時の昆虫学者たちにも広がり、論文などでも「蝶を数える単位=head」が使われるようになった、ということです。
【今日は何の日】
競馬の日,日本中央競馬会発足記念日
1954(昭和29)年のこの日、日本中央競馬会(JRA)が農林省(現在の農林水産省)の監督の下で発足した。それまでは、農林省蓄産部が運営する国営競馬だった。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)